根岸線・横浜市営地下鉄関内駅より徒歩5分強のところに店はある。スパルタはドーリア人が築いた古代の都市国家。
地
中海にせり出したバルカン半島の先端にあるギリシャ共和国。エーゲ海に面し、ギリシャ人は古来新鮮な海の幸を食べてきた。そんな本格的なギリシャ料理を食べられるのが、横浜・関内の「スパルタ」。1953年にギリシャ人が開業した、日本では老舗のギリシャレストランだ。2001年12月に曙町から関内に移り、現在では3代目シェフの阿久津泰之さんが伝統の味を受け継いでいる。スパルタで修業をした後、ギリシャでも料理を研究したというシェフは、今もしばしば出かけて、本場の料理に触れているそうだ。
悪
魔の魚」といわれ、西洋では忌み嫌われてきたと言われるタコだが、ギリシャ、イタリア、スペインはここでいう「西洋」に入らない。スペインやイタリア同様に、ギリシャでも古くからタコが日常的に食べられ、タコ料理が豊富だ。「オクタボディ クラサト」(1470円)はタコのトマト煮。大胆にぶつ切りにされた太いミズダコの足がじっくり煮込まれており、驚くほど柔らかい。噛む度に、染み込んだトマトとタコの旨みが一体となって溢れ出てくる。コクのあるトマトソースは、パン(315円)でお皿をぬぐって食べ尽くしたい。
たっぷりのオリーブオイルとトマトでタコを煮た「オクタボディ クラサト」。
「前菜盛り合わせ」。メリジャノサラダ(左上)とタラモサラダ(右上)はパンにディップして食べるのがギリシャでの習慣。パンもサイドオーダーしよう。
「ラム・ユベッチ」のパスタの食感には、病みつきになる人も多いかもしれない。
オ
リーブオイル、チーズ、トマト、キュウリ、ナスなどの素材をよく使うギリシャ料理。その味付けはシンプルで、日本人にも親しみやすい味わいだ。ギリシャの味を多く知ってもらいたいというシェフの思いから、約50種類のメニューが揃う。どれもボリュウムたっぷり。おすすめは「前菜盛り合わせ」(1470円)だ。ここにもタコが登場する。タコのマリネだ。エキストラヴァージン・オリーブオイルでマリネされたミズダコは、オイルはたっぷりと使われているものの、ビネガーの酸味が効いてさっぱりとした印象である。そのほか、大粒のオリーブ、まろやかなタラモサラダ、「メリジャノサラダ」と呼ばれるギリシャ風ナスのペースト(6-10月頃の期間限定)、アーティチョーク、そして、ギリシャではポピュラーなフェタチーズが盛られている。ギリシャの代表的な冷菜6種をワンプレートで楽しむことができる。また、是非試してみたいのが「ラム・ユベッチ」(1470円)。ラム肉をギリシャの米の形をしたパスタと一緒にして、上にトマトとチーズをのせる。それをオーブンで焼いた料理である。フォークでほぐれるくらい柔らかなラム肉と、パスタのプリプリとした食感が印象的なひと皿だ。この羊肉も、ギリシャ料理には欠かせないものだそうだ。
ス
パルタ」では、さまざまなギリシャのお酒に出会える。日本では入手困難な銘柄も揃えているという。人気は、アニスの香りが特徴的なブドウ蒸留酒「ウゾ」(735円)、ギリシャビール「マラトン」(735円)、松ヤニで香り付けした伝統的なギリシャワイン「レツィーナ」(3990円)などだ。ギリシャは「ブドウ栽培とヨーロッパワインの起源」といわれる国。ワイン造りの歴史は5000年ともいわれ、紀元前4世紀には、すでにワイン法が制定されていたという話もある。現在でも、300種にものぼる固有品種が栽培されている。サントリーニ島原産の最高級ブドウ品種、アシルティコ100%の「ブターリ サントリーニ 2003」(3990円)はフルーティーで上品な白ワインだ。他にも多くのギリシャワインをそろえているので、迷ったらシェフの奥様で、ソムリエの資格を持つ曜子さんに相談してみるとよいだろう。夜はホールに立って料理をサーブしている。
「マラトン」(写真左)はアテネオリンピック2004を記念して作られたビール。「ブターリ サントリーニ 2003」(写真右)はサントリーニ島のワイン。サントリーニは、高さ数百メートルのカルデラの壁面に、エーゲ海を見下ろすように白い家々が建っている火山島だ。店では、特別ディナーと共に、シェフおすすめのギリシャワインを飲み比べる会が実施(毎月第2土曜)されている。
店内の壁の白と、テーブルクロスのブルーがギリシャの国旗をイメージさせる。
以
前、横浜にはギリシャ料理店が30軒以上あったという。今はそのほとんどが姿を消したが、「スパルタ」は、料理のおいしさと手頃な価格で、今でも多くの人たちに愛されている。ギリシャ国旗の色であるホワイトとブルーを基調色とした店内で、地中海で生まれたおいしい料理をいただけば、梅雨のシーズンでも気持ちは晴れてきそうだ。
TEL. 045-253-1645
横浜市中区蓬莱町2-6-7
営業:17時〜24時
定休日:無休
http://www.sparta.jp/
バルカン半島の南端に位置するギリシャ。エーゲ海を挟んでトルコに面し、イオニア海の向うにはイタリアを臨んでいる。日本の約1/3の大きさで、国土面積のおよそ1/4がミコノスやサントリーニといった島々である。地中海性気候のギリシャは、ヨーロッパの中でも目だって降水量が少ない(アテネの年間降水量は約400ミリ)。乾燥した土地で育つオリーブの栽培は、紀元前から行われている。 現在、ギリシャはオリーブオイル生産量世界第3位(1位はスペイン、2位はイタリア)。食生活には欠かせず、「毎日スプーン2杯飲むのが健康」とも言われるほどだ(ひとり当たりの年間消費量は20-30kgで世界一)。その他、よく食べられるものに、フェタがある。羊や山羊の乳から作るフレッシュタイプのチーズで、ギリシャ原産。このフェタを中心に、ひとり当たり年間20kg以上のチーズを消費している。これは、よくチーズを消費することで知られるフランス人に肩を並べる量だ。 また、ギリシャはコーヒーも有名。深入り焙煎した豆を細かく挽き、鍋で煮出したコーヒーは、カップの底に粉が沈殿しているのが特徴だ。オスマン・トルコ支配時代(16-19世紀)にトルコから伝わったものと思われる。飲み終わったカップを見る、コーヒー占いもある。また、ギリシャにはコーヒーの淹れ方が40種類近くあるといわれ、カフェでは淹れ方をリクエストすることもできるそうだ。世界で始めてコーヒーハウス(カフェ)を作ったのはギリシャ人とも言われている。
ギリシャソーセージのソテー「ホリアティカ・ルカニカ・ティガニタ」。ナイフを入れると肉汁があふれ出します。力強い旨みとスパイシーな味付けはお酒にぴったり。
白壁には、白い額に納められた絵画が飾られています。
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