 | | 店の周りには、イタリアンレストラン、ライブハウス、ジャズバーなどがある。 | フ ランス語で、ripaille exquiseは「甘美なごちそう」という意味。それを店名にした「リパイユ・エクスキーズ」は、横浜の馬車道近くにある。桜木町と関内の中間に位置する馬車道は、フランス人技師、アンリ・プレグランによって日本で始めてガス灯が灯った通りだ。ここを中心に、辺りには、和洋さまざまな飲食店が100軒以上集まっている。 |
 | | 「アンドィウエット」には、ジャガイモ、タマネギ、ベーコンをバターで炒めたリヨン風ポテトが添えられる。 | リ パイユ・エクスキーズで食べられる甘美なごちそうはリヨン料理である。フランス第2の都市、リヨンは、豊富な食材やおいしいワインによって、古くから「食の都」として栄えてきた。その郷土料理を中心にしたこの店のメニューは、コースが主である。「『食の都』リヨン料理コース」(3800円)、「シェフのおすすめコース」(5500円〜)などあるが、おすすめは「ムニュ・カルト」(3800円)。オードブル、スープ、メインディッシュ、デザートからそれぞれ1皿を選ぶプリ・フィックスのコースだ。パンやコーヒーも付いて、たいていの人はこれでお腹いっぱいになる。 もちろん、リヨン料理もたくさん盛り込まれている。まず、5種類のオードブルメニューの中には、リヨン名物「アンドゥイエット」が見つかる。これは、豚の腸に豚や牛の臓物を詰めたリヨン風のソーセージ。独特の臭みがあるが、出てきた料理は日本人にも食べ易いもの。ジューシーでやわらかく、白ワインとマスタードのソースで上品に味わうことができる。 |
 |  | | 「ゴボウのポタージュ」(上)と「ブフ・ブルギニヨン」。 | ス ープは、「本日のポタージュ」か「クラム・チャウダー」から選ぶ。この日のポタージュはゴボウだ。繊維質が多くて硬いゴボウを、滑らかな舌触りになるまで漉(こ)して、生クリームと一緒に泡立てた冷製のポタージュは、さっぱりして初夏にぴったりだ。そして、4つの料理から選ぶメイン。リヨン周辺では、ブレスの鶏、シャロレの牛肉、ドンブのジビエなど、 良質の肉を産出する。このおいしい牛肉とブルゴーニュワインが出会って生まれたのが「ブフ・ブルギニヨン」だ。ここでは和牛の肩肉が使われている。ナイフを入れると崩れるほどにやわらかい牛肉は、ちょっと濃い味付け。ワインがどんどんすすんでしまうだろう。 |
| も ちろん魚料理もある。ここは横浜。三浦半島で水揚げされた新鮮な魚が主に食べられる。メインの魚料理は2種類で、「活オマールエビのグリエ 野菜のエッセンスのソース スターアニス風味」と「本日の市場からの魚介料理」。この日は、「ホウボウのマルセイユ風」と「スコッチサーモンのソテー バーニャカウダソース」が用意されていた。スコッチサーモンのソテーは大きく、脂が乗ってやわらかい。付け合わせのロスティ(細切りポテトを炒めたもの)もたっぷりで、お腹がはちきれそうになる1品だ。 |
 | | ナイフを入れるとホロホロと身がほぐれていく、「スコッチサーモンのソテー バーニュカウダソース」。ニンニク、アンチョビ、オリーブオイルで作ったバーニャカウダソースがかけられている。 | |
 | | (写真1枚目から)セルヴェル・ド・カニュ、カマンベール、サン・マルセラン、コンテ、ラングル。セルヴェル・ド・カニュ以外は、どれも熟成が進んだもの。 | デ ザートはスウィーツのほかに、チーズを選べるのがうれしい。「チーズいろいろ」には、希望すれば、「セルヴェル・ド・カニュ」というリヨンの絹織物職人たちが食べていた郷土チーズも盛り合わせてくれる。セルヴェル・ド・カニュは「絹織物職人の脳」という意味。15世紀から織物産業が発達し、「絹の都」と呼ばれたリヨンらしい名前のチーズである。瑞々しいフロマージュ・ブランにエシャロットなどをまぜたヨーグルトのようなもので、日本人にも食べやすいだろう。オードブルからデザートまで、ア・ラ・リヨネーズ(リヨン風)の料理が見つかるリパイユ・エクスキーズ。飛行機に乗らずとも、ここに来れば、リヨンが「食の都」と呼ばれた理由が分かるはずだ。 |
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