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B食倶楽部 食べてきました!今週のピックアップB食店/vol.25
多摩丘陵の風と共に、特級スウィーツを味わう「グランクリュ(東京・多摩センター)」
区画整理された多摩ニュータウンは道路の幅も広く、緑にあふれている。
ウィーツブームでのパティスリーの出店(東京)は、銀座と郊外に二極化しているともいえる。ピエール・マルコリーニや青木定治といったパリの有名パティシエが銀座界隈に店を構える一方で、神奈川や茨城など東京近郊にも、遠くから人が押しかける人気パティスリーが増えている。「グランクリュ」もそんな郊外の1店舗。東京の西端、自然あふれる多摩市にある。小田急線、京王線、多摩モノレールが顔を合わせる多摩センター駅から、銀杏やケヤキの葉がこんもりと茂った並木道を20分ほど散歩すれば、やがて店は見えてくる。
ブティック→カフェ→駐車場入り口
茶の西洋瓦、ピンク色の壁、大きく迫り出したひさしテント。緑の中に広がるグランクリュの建物は、まるで南フランスのカフェかレストランのようだ。お菓子を販売する小ぢんまりとしたブティック、パンも販売するカフェ、そして洒落たゲートを構えた駐車場から成り、ひっきりなしにやってくる車はガードマンによって誘導されている。ここではブティックでスウィーツを購入し、隣のカフェですぐに楽しむのがおすすめだ。
ケーキは季節ごとに新作が登場。
焼き菓子のギフトセットは豊富に用意されている。
ーナーパティシエ、石塚伸吾シェフがメインに手がけるのは、生ケーキと焼き菓子。ショーケースにはユニークなネーミングとデザインの40種類近いケーキが並び、窓際にはさまざまな焼き菓子が飾られている。6人以上のパティシエたちがせわしなく動いている様子も奥に見える。数々の美しいスウィーツを目の前にして何を選んだらいいのか迷ったら、グランクリュの名を有名にした「純生ロール」(840円)を頼んでみよう。フカフカで弾力のあるスポンジが、メレンゲのように軽い生クリームを巻き込んだ18cmほどのロールケーキだ。厳選された卵を使用したスポンジからは、黄身の味わいと香りがとても良く伝わってくる。毎朝焼き上げられる、一番人気のケーキである。
純生ロール
午前中には売り切れることの多い「純生ロール」(写真は1/6にカット)。
塚シェフのユニークなセンスが光る「食いづらいがうまい菓子」(399円)もおすすめだ。ヘーゼルナッツを使ったダックワーズを台に、チョコレートとチョコムースを盛り、ゴマのダンテル(薄い焼き菓子)をトップに乗せたという、積み木を重ねたようなデザインは見た目にも食べにくそう。手とフォークと駆使しながら口に運べば、パリパリ、フワフワ、サクサク、カリカリといったいろいろな歯ごたえと、ナッツの香ばしさが楽しめる。食いづらさなんて微塵も気にならない。ところで、ダックワーズとはアーモンド生地の焼き菓子だ。石塚シェフは、ダックワーズを日本で有名にしたパティスリー「16区」(福岡)の三嶋シェフの下で修行をしたことでも知られている。
「食いづらいがうまい菓子」の一番上に乗せられているダンテルは、レース編みという意味から想像できるとおり、薄くて繊細な焼き菓子だ。
スプーンを入れるのが惜しい「ティラミス」。
クレームエルダンジュ
器も中身も真っ白の「クレームエルダンジュ」。
ザインがユニークなのは「ティラミス」(399円)だ。飴色にキャラメリゼした胡桃が底に敷かれ、トップでは真っ白いねずみがこちらを見ている。愛らしいデザインとは対照的に、カカオとキャラメルの香ばしさが印象的な大人の味だ。シェフお得意のフレッシュな生クリームの旨さは、真っ白いねずみで発揮されている。そして、「クレームエルダンジュ」(452円)でも生クリームが活躍している。チーズと一緒になって、やわらかい味わいを演出しているのだ。ブルーベリーソースを包んだレアチーズケーキには、滑らかな舌触りといつまでも続く甘酸っぱいあと味に思わず唸ってしまうだろう。
肘付きのパイプ椅子は、南仏のカフェではよく見かけるもの。
れらのケーキは、ここで食べたいことを話せば準備してくれる。レジでドリンクを選んで支払を済ませたら、おもてのカフェに移動しよう。食材の絵が書かれた南仏風の皿に乗ってケーキがやってくる。「純生ロール」はカットされ、「食いづらいがうまい菓子」はダンテルの上に新しいゴマが振りかけられている。初夏の陽射しがテントの下のケーキを明るく照らし、ショーケースの蛍光灯の光で見たときよりもずっと色鮮やかに輝いている。銀杏並木の緑を目に、多摩丘陵を吹き抜ける風を肌に、そして特級(グランクリュ)のスウィーツを舌に感じる――アウトドア・スウィーツを楽しむ極上の時間の始まりだ。
グランクリュ
グランクリュ
TEL. 042-376-0141
東京都多摩市落合3-11-2
営業:9時30分~19時30分
定休日:月(祝の場合翌日)
http://www.medianet-as.jp/
shop/store/grandcru/
index.htm

 
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グランクリュのある場所は1965年から開発計画が始まり、6年後に多摩ニュータウンとして街が完成した。デパート、戸建て、マンションが整然と建ち並ぶ中、「稲荷塚古墳」など100ヶ所以上の遺跡も残されている。これは多摩丘陵が、南関東ではもっとも古い、5万年前に人類が住み始めたという土地だからだ。縄文時代の出土品や復元された古代住居は「東京都埋蔵文化センター」(京王多摩センター駅徒歩4分)に展示されているので、興味のある人は帰りに立ち寄ってみよう。また、グランクリュの隣は10万平米という広大な敷地面積の「多摩中央公園」。噴水、池、芝生などがあり、自然に触れながら解放感にひたることができる。公園内にある複合文化施設「パルテノン多摩」は、ギリシャ神殿のようなデザインの建物で、ホール、ギャラリー、博物館などが入っている。さらに、多摩センター駅の東側には「サンリオ ピューロランド」もある。

 

覆面編集部コメント
i09
コーヒーには、売り物のケーキをちょっとづつカットしたものが添えられます。この日は、イチゴのパウンド、昔ながらのマドレーヌ、クロカンダマンドでした。
 
i09
ケーキや食材が描かれた可愛いお皿に乗せられて、購入したケーキはやってきま
した。