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B食倶楽部 食べてきました!今週のピックアップB食店/vol.24
じゃがいもの甘さが伝わる、ジャーマンポテト「カイテル(東京・新宿)」
カイテルは1986年オープン。来年20周年を迎える。
ーロッパでは主食にもなっているじゃがいも。食用として広めたのは、プロイセン(現ドイツ)のフリードリヒ2世(大王)で、1772年の冷害による大飢饉の際にじゃがいもを国民の前で食べて見せ、これを主食とするように奨励したのがきっかけだ。以来、農家はこぞってじゃがいもを栽培し、200以上のじゃがいもレシピがドイツには生まれたという。そんなドイツの料理を「カイテル」では楽しむことができる。東京・新宿にあるカイテルは、ドイツ人、ハルトムート・カイテルさんがオーナーシェフのレストランだ。
カイテルさんが描いたボトルは、店の外にも並べられている。
イデルベルグ出身のカイテルさん。1965年に来日して以来一流ホテルで働き、16年間勤めた京王プラザホテルではスー・シェフを担っていた。しかし、「カイテル」はホテルの気取ったレストランとはかけ離れている。暖かい雰囲気に包まれた26席ほどの小ぢんまりとした店内は、銅製の鍋、ビアマグ、フランケン地方のワインボトルなど、ドイツを代表するアイテムがところ狭しと飾られてアットホームな感じだ。ボックスボイテル型のワインボトルに描かれた絵は、すべてカイテルさんによるもの。彼の多才な一面を知ることができる作品だ。
界料理オリンピック」での2度の優勝をはじめ、40以上の国際タイトルを持つ彼は、カイテルでは鹿肉のステーキやオムレツといった、ドイツの郷土料理を出す。ソーセージの盛り合わせもジャーマンポテトもある。「ジャーマンポテト」(840円)は、茹でた乱切りのじゃがいもを、ベーコンと一緒に炒めたもの。日本でよく見かけるタマネギは入っていない。かじると、カリッとした外側とホクホクの中味の食感がたまらない。マスタードは使用せず、ベーコンの塩分と黒コショウで味付けがなされ、アクセントにシブレット(チャイブ)が振りかけられている。じゃがいもの甘味が活きたシンプルな味付けだ。また油っぽくないので飽きることなく、日本人にとっての白米のようにパクパクと食べることができる。
ジャーマンポテト
大盛りの「ジャーマンポテト」とドイツビールだけでも、お腹がいっぱいになりそうだ。
ャーマンポテトが脇役なら、料理の主役は肉だろう。タルタルステーキ、ブルストなどドイツにはいろいろな肉料理がある。カイテルでのおすすめはなんといっても「アイスバイン  ザワークラウト添え」(3675円)だ。アイスバインは塩漬けした豚のすね肉を煮込んだ伝統料理で、カイテルでは野菜と一緒に1時間30分かけてゆっくりと煮込んでいる。ともかく、その大きさにびっくりする。「こちらはアイスバインね。カットしてからお持ちします」と、カイテルさんがテーブルに差し出したお皿には、直径10センチ、長さ20センチぐらいの豚の足(ひざ下から足首まで)が、湯気を出して転がっている。「でかい!」とびっくりしていると、「中は骨ですから、見た目ほどありませんよ」とカイテルさん。しかし、肉と骨に分けて出てきたアイスバインはやはり大量。日本人とドイツ人の体格の違いは食事の量の違いなのかと、がっしりした体格のカイテルさんを見てしまう次第だ。じっくり煮込まれたすね肉は野菜と肉の旨味がしみ込み、プリプリした弾力を保ちながらもとても柔らかい。コラーゲンもたっぷりで、舌にも美容にも満点の料理だ。素材の旨味を生かしたやさしい味付けは、別のお皿に盛られたキャベツの酢漬け、ザワークラウトと一緒に食べるとちょうどよいだろう。
アイスバイン
「アイスバイン ザワークラウト添え」。アイスバインはドイツ語で“豚の漆(しつ)関節”という意味。ザワークラウトは小皿に別盛りされる。
ミEトローフ ポテトと野菜の付け合せ
「ミートローフ ポテトと野菜の付け合せ」は、野菜も大きくカットされているので豪快に味わおう。
ワークラウトが日本人向けに酸味を抑え、ワインと砂糖で味付けされているように、料理のところどころにカイテルさんのオリジナリティが光っている。「ミートローフ  ポテトと野菜の付け合せ」(1890円)は、合ひき肉を使ったハンバーグにも似た一皿。ニンジン、たけのこ、セロリといった煮野菜と、シュペツレというドイツのパスタが添えられている。緑色のシュペツレは、ハーブとホウレン草を小麦粉に練りこんだ、カイテルさんのオリジナルである。このローストビーフは塩味が利き、非常にビールに合うのが特徴だ。
イテルには、ドイツビールが10種ほど揃っているので、ぜひビールとこれらの料理を合わせたい。後味にレモンのような酸味を感じる「ドムケルシュ」や、深い甘さが魅力の「生ビール」などいろいろなタイプがあるので、マダムに好みを伝えてお気に入りの1杯を見つけてほしい。壁にはたくさんの写真が飾られているカイテル。そこには、エリザベステーラー、シラク大統領、スティーブン・セガールなどさまざまな有名人と一緒に写るカイテルさんがいるが、ご本人はいたって気さくな方。ドイツ料理を好きになってもらいたいという気持ちでいっぱいの、素敵なシェフの店なのである。
「クロムバッハ」 「アバンティナス」 「ドムケルシュ」
カイテル
カイテル
TEL. 03-3354-5057
東京都新宿区新宿5-6-4
営業: 12~15時、18~22時30分
定休日:無休
http://homepage3.nifty.com/
keitel/


 
じゃがいもの歴史
じゃがいもの発祥は、紀元500年頃の南米チチカカ湖周辺と推測されている。ペルー、チリ、メキシコと伝わり、インカ帝国では重要なエネルギー源となった。やがて、ペルーやメキシコを支配したスペイン人によってヨーロッパにも伝わり、ドイツでは冷害による飢饉を救った。イングランドに小麦を渡していたアイルランドも同様で、じゃがいもは小麦が食べられないアイルランドの人々の主食となった。1845年にアメリカから来たウイルスの影響でじゃがいもが凶作になったとき、飢えに苦しんだアイルランド人はこぞって海外に渡る。160万人のアイルランド移民の中には、ケネディ大統領の祖父もいたので、じゃがいもがケネディ家をアメリカに移住させたとも言える。主食にする国は、ドイツのほか、ポーランドやロシアなどがあり、フランスでは「pomme de terre(大地のりんご)」と名づけられるほど、その高い栄養価が評価されている。ビタミンC、B1、B6、食物繊維が豊富で、ミネラル、カリウム、鉄も含まれている。じゃがいもは、でんぷんを中心とした炭水化物だが、カロリーは他に比べて約半分。でんぷんにより、油を使って調理してもビタミンCが壊れないという特徴がある。ところで日本へは、1601年にオランダ船によってジャカルタから持ち込まれた。馬に付ける鈴に似ていたので馬鈴薯(ばれいしょ)と呼ばれた。
覆面編集部コメント

デザート
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カイテルさんは、数々のお菓子コンクールでも優勝しています。「デザートを食べなきゃ、ここに来た意味の半分がないよ」といわれ、「おすすめのデザート」を注文。ハーブのアイスクリームをシャンパンのソルベで固めたものなど、とても手の込んだケーキが3種類出てきました。こちらもすごいボリューム!  おいしかったです。
 
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食後には、カイテルさんが作ったというコーヒー焼酎がサービスされました。ドイツのショットグラスに入った、日本の焼酎ですね。
店内
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最近、テレビでここのアイスバインが取り上げられたそうで、アイスバインを頼むお客さんがとても増えたとか。