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B食倶楽部 食べてきました!今週のピックアップB食店/vol.21
ステーキのようなルーマニアの肉団子「ダリエ(東京・銀座)」
賑わう銀座にありながら、静かにくつろげる店だ。
ルカン半島の東北部に位置するルーマニア。この国の料理を提供する日本唯一のレストランと言われているのが、銀座で33年目を迎える「ダリエ」だ。38席ほどの店内は、のどかなルーマニア音楽が流れ、ルーマニア人のお宅にお邪魔した様な家庭的な雰囲気が漂っている。腕を振るうのは、及川治道シェフ。本場で修業したルーマニア料理協会のマエストロで、伝統を忠実に守ったというルーマニア料理を作っている。
入り口の看板には価格の目安が明記されている。5種のコース(2940~5500円)もある。
ニューには見慣れない料理名が並んでいるので、ホールを担当するお母さんたちに相談するのが良いだろう。50代以上と思われるダリエの女性たちは、みな優しそうでお母さんといった雰囲気だ。ルーマニアが大好きなのか、現地の料理や文化について造詣が深い。知識の豊富さもさもさることながら、ワインサービスや料理を出すタイミングといった、ゲストへの気配りも素晴らしい。キビキビと動く彼女たちの活躍で、食事をする満足感も一層増すというものだ。
の無いルーマニアだが魚をよく食べる。料理に使われるのは川や湖に生息する淡水魚で、ダリエでもニジマスとナマズが登場する。現地ではコイもポピュラーだそうだが、「ブリーム」と呼ばれるルーマニアのコイに比べて、日本のものは骨が多くクセが強い。ダリエで扱わない理由だ。ナマズ料理は「鯰(なまず)のコーンミールつけ揚げルーマニア風」(1890円)など3品。なかでも「鯰のサラムラ」(1995円)は、ルーマニア岩塩で鉄板焼きしたナマズに、ガーリックスープをかけたというルーマニアの名物料理だ。プリッとした身はかすかに土臭いが全体にあっさりした味で、ガーリックスープと一緒に食べれば、臭いも気にならないだろう。むしろ、独特の旨みに病み付きになるかもしれない。お皿には半球状の「ママリーカ」が添えられている。ママリーカとは、コーンミール、牛乳、バターを煮立てて練り合わせたルーマニアにおけるライスのようなもの。淡い黄色とプニプニとした弾力が特徴だ。わずかにコーンの香りはするものの味はほとんどしないので、スープやソースと一緒に食べる。
て、ルーマニアの代表料理といえば肉団子とロールキャベツ。「ミティティ」と「サルマーレ」(各1995円)という料理で味わえる。「どちらも食べたい」と相談したところ、盛り合わせて一品にしてくれた。こういった配慮がうれしい。脂のない赤身の牛ひき肉を棒状にした「ミティティ」は、噛むたびに力強い肉の弾力に驚かされる肉団子。ナイフをいれた直径4センチほどの断面は美しいロゼ色だ。姿、味、歯ごたえともに上質のヒレステーキのようである。日本の肉団子とこんなにも違うのは、ひき肉に混ぜる香辛料や、タネを冷蔵庫で寝かすことに秘密があるという。炭火の香ばしさも手伝って、たまらない味わいと香りが堪能できる肉団子である。ところで、本来ミティティは羊肉を使うのが一般的とのこと。ダリエには羊肉製の「スモールミティティ」(998円)も用意されているので、こちらも試してもらいたい。
テュルテュッテュ(トルトット)・カーポスタ
棒状の肉団子「ミティティ」(左)と、ロールキャベツの「サルマーレ」(右手前)。店では、これらの料理の全国発送も行っている。
方「サルマーレ」は、肉だねを塩漬けキャベツで包んだルーマニア風のロールキャペツ。ベーコンと一緒に煮込んだ後に、オーブンで焼いている。ご飯、トマトペースト、きだちはっかなどを挽き肉に練りこんだ肉だねは、しっかりとした味わい。添えられたザワークラウトも、優しい酸味をじんわりと口中に広げてくれる。
「ロイヤル フェティアスカ1999」はデザートワインのような色。でもすっきりした中辛口。
れらの料理に合わせるお酒にはワインがおすすめだ。ルーマニアはギリシャ神話に登場するワイン造りの神様、バッカスの故郷といわれる地。ティータイムもお茶代わりに飲むというほど、ワイン文化は豊かである。ダリエには日本でも珍しいルーマニアワインを、すべてグラス(735円)、デキャンタ、ボトルでオーダーすることができる。「ロイヤル  フェティアスカ1999」(3990円)は琥珀色に輝く白ワインで、ヴェルヴェットのような口当たりが特徴だ。果実味に富んでいるがすっきりした中辛口で、わずかに酸味も感じられる。少しスパイシーなルーマニア料理と見事に合うおすすめの1本である。
ザートにはルーマニア風ドーナツ「パパナッシュ」(735円)をぜひ味わいたい。揚げたてのドーナツに、サワークリームとチェリーの甘酸っぱいソースがかけられたパパナッシュは、生地にカッテージチーズが練りこまれて実に軽やか。サワークリームは口の中ですぐに消えていく。酪農のさかんなルーマニアらしい、乳製品を上手に使ったデザートは、見た目とは対照的にとても爽やかなのである。肉、魚、デザートと楽しんで、お腹いっぱいでダリエを出る頃には、ルーマニアをより身近に感じていることだろう。
パパナッシュ
「パパナッシュ」。温かいドーナッツに冷たいソースがかけられている。
ダリエ
ダリエ
TEL. 03-3573-3630
東京都中央区銀座7-8-5 植松ビルB1F
営業: 11時30分~22時30分(ティータイム13時30分~16時30分)(祭日12~22時)
定休日:日(祭日は営業)
http://www.darie.co.jp/

 
ルーマニア

ハンガリー、ユーゴスラヴィアなど5つの国に囲まれ、東側を黒海に面するルーマニア。面積は日本の本州ほどで、人口は約2250万人(1998年)だ。ドラキュラ伝説や体操のコマネチ選手で有名だが、教会や修道院など7つの世界遺産がある。首都ブカレストでは、世界で2番目に大きな建築物(1番はアメリカのペンタゴン)「国会宮殿」や、パリの凱旋門にも似た「凱旋門」など歴史的な建物を見学することができる。国旗の赤、黄、青は、独立戦争における兵士の血、みのった麦、黒海をあらわしている。面白いことに、法律で定められた国花は存在しない。

覆面編集部コメント

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「ナスと野菜のルーマニア風煮込み」(945円)。丸ごとのナスの上に少しスパイシーなラタトゥイユ風のソースがかけられた冷製の前菜です。
 
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バケット、胚芽パン、パン・オ・レ(ミルクたっぷりのパン)の3種のパンがつきます。料理のソースを付けて食べるのもいいですね。
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丁寧なテーブルセッティングにおもてなしの心が見えます。
 
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壁を挟んで両テーブルにお客が座ると、ベルベットのカーテンで空間(小窓)を仕切ってくれます。
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銀座の真ん中にあるダリエ。食後の銀座散策もおすすめです。