 | | 3月上旬、巣鴨のお寺や神社では手入れされた梅を楽しむことができる。ソメイヨシノの開花まではあと2週間。 | 春 の日差しの中、ソメイヨシノ発祥の地といわれる染井霊園(東京・巣鴨)あたりまで足をのばし、ぼたもちを味わうというのはどうだろう。テイクアウトして、咲き誇る桜の下で一服と言うのも手だが、どこか懐かしさ漂う老舗店で、できたてのぼたもちを楽しむのも悪くない。「おばあちゃんの原宿」としてお馴染みの「地蔵通り商店街」には、そばとぼたもちで有名な「和作(わさく)」がある。染井霊園と商店街は国道17号を挟んで隣り同士だ。とげ抜き地蔵の参拝客で賑う通りがだんだんと静かになったあたりに、店はそっと佇んでいる。 |
| あ ずき、ゴマ、きな粉と3種揃った「ぼた餅」(各210円)を全種制覇できる「3色ぼた餅」(630円)がオススメだ。運ばれるとまず、その貫禄ある大きさに目を見張る。男性の握りこぶしほどのぼたもちは、商店街に建ち並ぶ数々の和菓子屋のものと比べても段違いである。 注目はやはりあずき。餅とほぼ同量にも及ぶたっぷりの粒あんは、北海道産あずきを丁寧に炊いたもの。これだけの量でもしつこくなることのない甘さで、純朴な味わいに満ちたあんだ。やや水分が少なめで密な印象をあたえるあん、そして心地良い米粒感を残した餅。ほうばれば、舌の上で両者は一体となり、まったりととろけてゆく。一方、ゴマときな粉のぼたもちは、素材の香ばしさが餅米のナチュナルな甘さを引き出している。不意に餅の中から顔を出す自慢のあんは、今度は脇役に徹し、全体を単調にさせないアクセントとなっている。あずき(ぼたもち)よりも、もち米自体が楽しめる趣向のようだ。三者三様の味わいに、そのボリュウムへの驚きはどこへやら、ペロリとたいらげてしまうのであった。 |
 | | 「3色ぼた餅」は、きな粉、あずき、ゴマ。箸休めに、食をすすませる塩昆布も付く。 | |
 | | そばとぼた餅の意外なマッチング「ざるぼた」。 | さ て、こちらのもうひとつの専門はそばだ。片手間では作っていない本格的なそばは、いわゆる甘味処のものとは一線を画している。艶やかに輝き、のど越しも、ふわりと鼻を抜ける奥ゆかしい香りも、どちらも秀逸だ。おそらくそば食いも黙る逸品である。 そばを食すなら、和作ならではの「ざるぼた」(750円)を試してみてほしい。文字通り、ざるそばとぼたもちのセットである。もちろん食後の甘味として最後にぼたもちを食べても良いのだが、一旦そばを手繰る手を敢えて休め、合間にひょいとほうばってみると面白い。甘さとしょっぱさの相乗効果で、絶妙に互いが引き立ち合うのだ。邪道と言わずに挑戦すれば、新鮮なコンビネーションに出会うことになるであろう。 |
 | | このいなり寿司のファンも多い。 | さ らにお腹に余裕があれば隠れた人気の「いなり寿司」(5個350円/1個から注文可能)もぜひ。かじるとじゅわり。ふっくら炊かれた油揚げからは優しい甘さのつゆが染み出し、ゴマのプチプチした余韻に思わず笑みがこぼれてしまう。 |
 | | 店内にはどこか懐かしい雰囲気が漂う。 | 和 作は14席ほどのこじんまりとした店である。「夜中でもぼたもちを食べたい人もいるでしょう。そういった方々に少しでも喜んでもらえれば・・・」と、昭和29年の創業の翌年から、約半世紀に渡って年中無休24時間営業をつらぬいてきた。他に例を見ないぼたもち店である。幾人もの深夜のぼたもちに駆られる衝動を救ってきたが、現在は諸事情により20時で閉店している。しかし、変わらぬその味と真心は老若男女を魅了し続け、遠くから足しげく通うファンも絶えない。 |
 | | | | TEL. 03-3918-0350 | | 東京都豊島区巣鴨4-34-5 | | | 定休日:月(縁日・祝日の場合は翌日)*縁日は毎月4、14、24日開催 | | | |
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