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B食倶楽部 食べてきました!今週のピックアップB食店/vol.18
スタイリッシュな店内で味わう、昔ながらの和菓子「あんや(東京・成城)」
ショップカードもシンプルにデザイン。中を開くと、あんやのコンセプトやおすすめ和菓子の説明がされている。
俗学者、柳田国男も街作りに参加したという成城。自然と高級住宅が入り組んだ美しい街並みが特徴の成城で、カップルや有閑マダムに人気の和菓子屋が「あんや」だ。ミニマリズムを想起させるシンプルな店内は、間接照明がやわらかい光を落としたスタイリッシュな空間。和菓子屋とは思えない現代的なデザインで、オープンして1年になる今でも人気な、おしゃれな和菓子屋である。
ずき色ののれんが渡された店舗の正面は一面のガラス張りで、奥には和菓子を作る職人の姿を見ることができる。手前は桜もちや黄身しぐれなどが並ぶブティック。その奥、職人の詰める工房の裏が茶房になっている。ブティックよりもぐっと照明が落とされた茶房は天上が高く、装飾を廃した空間にテーブルと椅子だけというすっきりとした場所。作りたての和菓子や名水を用いたお茶などが楽しめる、15席ほどの甘味処である。
茶釜が湯気をあげる茶房の一角(左)。奥は工房へとつながっている。ブティックからは工房の様子がうかがえる(右上)。茶房は白木を基調にしたシンプルなデザイン(右下)。
つぶあん
きな粉
こしあん
成城風月堂のおはぎ (つぶあん、きな粉、 こしあん)。あんやで 販売されるおはぎはあんこ、きな粉、ゴマの 組み合わせになる。
んやのお菓子の特徴は、“昔ながらの穀物や豆を使用する”ことだ。北海道産の黒豆、南伊豆産のてんぐさ、摩周湖の名水など、厳選された素材を使い、あんみつ、ぜんざい、お汁粉、まめかんといった素朴ながらも手の込んだ和菓子を茶房では出している。店名のとおりあんこを使ったものが中心で、その味は薄味に仕上げられ、上品な甘さがいつまでも口中に余韻を残す極上のおいしさだ。
そんな品のあるあんこを使ったおはぎ(ぼたもち)は、お彼岸の時期にだけ登場する。あずき、きな粉、ゴマの3種類が9個入ったセットで店頭に並ぶそうだ。今年は、3月17日頃から約1週間の予定で販売。残念ながらまだ写真に収めることができなかったので、「成城風月堂」のおはぎを紹介する。
あんやは、100メートルほど離れた成城風月堂の経営だ。創業80年を超える成城の老舗和菓子屋で、おはぎはあんやよりも少し早く販売する。違いは使用するお米だそうだが、Lサイズ卵ぐらいの大きさや、あんこの味わいはあんやとさほど変わらない。口に入れたときに襲う強い砂糖の甘さはなく、上品なやさしい味を楽しむことができる。お彼岸の頃、あんやの茶房で甘味を食べ、お土産におはぎを購入するというはいかがだろう。
店頭の看板も、写真付きでメニューを紹介。
房のメニューにはところどころ写真が付いている。半渇きの“もちきび”とこしあんの「あわぜんざい」(700円)、天草から直接煮出したというなめらかな寒天の「黒蜜かんてん」(550円)などの写真をながめていると、端から試したくなる。モノトーンのシンプルなデザインの和食器に盛り付けられ、京紫色のトレーに乗って出てくる和菓子は、どれも見た目に美しい。
あんや特製クリームあんみつ
黒蜜が添えられた「あんや特製クリームあんみつ」。
すすめは、「あんや特製クリームあんみつ」(900円)だ。自慢の寒天に、こしあん、赤えんどう豆、求肥(ぎゅうひ)、白玉、干しあんず、アイスなどがトッピングされていろいろな味が楽しめる。主張しているのは、自家製のアイスクリームだ。和三盆卵、抹茶、きなこ、こしあんから選べるアイスは、びっくりするほど素材の味が生かされている極上のものである。
黒豁E
口のなかでスゥっと溶けてしまう和三盆糖が付いた 「黒豆茶」(上)。「あんやラテ」は、添えられた シナモンスティックでかき回す。沈んだあんこが渦を 描いたところで飲む。
み物には、加賀名産の最高級ほうじ茶「加賀棒茶」(600円)、玉露の「宇治」(700円)、抹茶の「小倉山」(700円)などがあり、これらはブティックの好きな和菓子とセット(750円、850円)にできる。茶房の一角に置かれた茶釜では、常にお湯が焚かれ、注文が入るのを静かに待っている。
そのほか、極上の和三盆糖が添えられた「黒豆茶」(550円)や、こしあんを温かいミルクで溶いた「あんやラテ」(600円)もおすすめだ。あんやラテは、伝統和菓子中心のメニューではめずらしい、オリジナルの現代和菓子である。さっぱりとした飲み口だが、あと味にあんこと乳の甘さがほんのりと残るという、スウィーツ好きにはたまらない新しい味だ。
スタイリッシュな空間で楽しむ、丁寧に作られた極上の美しい和菓子たち。あんやは若い人たちにも支持される、おしゃれでおいしい甘味処である。
あんや
あんや
TEL. 03-3483-5537
東京都世田谷区成城6-5-27
営業: 9時~20時30分
定休日:水(祝日は営業)

 
おはぎとぼたもち

もち米を蒸して半練りにした俵型のご飯に、あんこやきな粉をまぶした「おはぎ」と「ぼたもち」。こしあんを使用したものが「おはぎ」でつぶあんが「ぼたもち」とか、大きい方が「ぼたもち」などと言われているが、実際には同じである。春の彼岸に牡丹の花に見立てて食べるのが「ぼたもち」で、萩の花にちなんで秋の彼岸に食べるのが「おはぎ」だ。あずきの赤色が邪気を払うということから、お彼岸におはぎを食べるようになったとか。
春の彼岸とは、春分の3日前からの7日間を指す。2005年は3月20日が春分の日なので、お彼岸は3月17日から24日まで。ちなみに春分は、季節をあらわす二十四節気のひとつである。

覆面編集部コメント
わらびもちのココナツ汁粉
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自慢のわらびもちが楽しめる「わらびもちのココナツ汁粉」(700円)は、すっきりした甘さが特徴のここなつミルクに、ザク切りのわらびもちがたっぷりと入っています。このフルフルとしたわらびもちは、ひんやりした舌触りと弾力のある歯ごたえで、食感も楽しめます。
 
焼き麩ぜんざい
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この季節に味わえる「焼き麩ぜんざい」(700円)。温かくて上品なつぶあんがたっぷり。こんがりと焼かれた生麩(ふ)はびっくりするほどもちもちしていて、いつまでも口の中で楽しめます。焼き麩の香ばしさがって、こんなにあんことマッチするのですね。
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訪れたときは一周年を記念して、新商品のサービスがありました。あんやのマークがカステラの上に刻印された春らしい和菓子です。(お腹いっぱいで)食べられないでいたら、丁寧に包装してお土産にしてくれました。