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B食倶楽部 食べてきました!今週のピックアップB食店/vol.08
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の有名店のふぐを経験すると、真価のわかるお店、それがさくら田だ。安いコースでも15,000円だから、間違いなく特A食店である。しかし、他の有名店で食べたあとは、「あの味で、あのくつろぎで、あの価格は安いんだな」と思い出す。とっておきの、「ふぐのB食店」である。
お通し
お通しもゆっくり味わおう
ち着いたたたずまいの玄関をくぐると、小あがりと座敷が主体の店内。靴を脱ぎ、座った瞬間、都会の喧騒を忘れた自分に気がつくだろう。その静けさが心地よい。コースは2種類。15,000円のコースは、お通し、てっさ(刺身)、ちり(鍋)、雑炊である。23,000円のコースはこれに、煮こごり、手まり寿司と唐揚げがつく。
お通しを楽しみおわったころあいに、大皿に盛られてくるてっさは、手のかかり具合の想像がつく見事なものだ。ふぐ1匹をさばくのに、20分はかかるという。つい、端のほうから遠慮がちに箸を出したくなるが、これは真ん中の、花の中心からとっていくのが正しい。外周から刺身を盛っているからだ。
てっさ
美しい盛りと透き通った刺身の奥行きのある味わいに感動するばかり。
さくら田は、海が荒れることで知られる玄界灘で活躍する漁師と直接契約し、飛び切りの天然物の白とらふぐを空輸している。荒れる海で育った魚はうまい。刺身の透き通り方をみるだけでも上質さがわかるが、それをひきたてているのが、橙を使ったポン酢と、味を引き締める薬味のネギともみじおろしだ。とくにもみじおろしは、大根と唐辛子のうま味がかたまった、見事なものである。一切れ一切れ、ゆっくりと味わいながら食べるのもよし、数枚をがばっととって、豪快に食べるのもよし(これが長島茂雄流だそうである)。その旨さは、お店の静けさが証明している。すべての客が言葉なく、噛みしめているのだ。
てっちり 雑炊
アクの出ない極上のふぐ 旨味がとじこめられた雑炊
鍋
ふぐ鍋は繊細な味わい
こそ、天然物のよさをはっきりと認識できる食べ方かもしれない。「鍋奉行にアク代官」といって、鍋になると仕切り役とアクとり役が必要になるものだが、さくら田のふぐちりに関しては、その両方が不要だ。奉行役は上品な着物に身を固めた女将がやってくれるし、アクはそもそも、出ない。ホルマリンや抗生物質などとは無縁のふぐだからである。
繊細な味わいは、鍋全体に行き渡り、お野菜までおいしく食べられる。雑炊もまた見事なものだ。目を閉じて、神経を研ぎ澄まして味わいたくなる旨味が、米粒のひとつひとつに封じ込められるのである。
からあげ
唐揚げは旨味が豪快
予算に余裕があれば、最初から23,000円のコースに行くか、15,000円コースに唐揚げを追加することを勧める。てっさも鍋も繊細な旨味を味わう食べ方だが、唐揚げはその正反対に、野趣あふれる味わい。ふぐを漢字で「河豚」と書いた人の偉大さがよくわかる。秋からC食(値段が安く、味もそこそこの食事)やD食(ダイエット食)を増やして貯金してでも、年に一度は味わってみたい。12月以降は、白子も楽しめる。
さくら田
さくら田 さくらだ
TEL. 03-3585-4402
東京都港区麻布十番1-3-13
営業: 18時〜23時
定休日:日曜日

 
天然とらふぐについて
100種類以上あるふぐのなかでも最高級のとらふぐ。腹ヒレが白いもの(シロ)と黒いもの(カラス)があるが、白いほうがより高価。太平洋の広範囲で漁獲されるが、水揚げされた場所の名前がつけられる。そのため静岡県や三重県沖で捕れたとらふぐも、漁船が着いた先が下関港であれば「下関ふぐ」として出荷されている。天然ふぐは養殖に比べて、背中が黒くて腹が真っ白なのが特徴だ。
ベストの大きさは1.5kgという。それ以上では1人で食べきれず、1匹を2人で分けることになるのですべての部位を味わうことができないからだ。ただし、内臓と眼球は猛毒のために食べられない。ふぐの眼球をいれた鍋を、鉄砲のように当たったら死ぬことから「てっぽう鍋」と呼んでいた。また「てっぽうの刺身」がなまって、ふぐの刺身のことを「てっさ」と呼ぶようになったという。ふぐは身の締りが非常にいいので捌(さば)いた後、丸1日置いて身をやわらかくする。新鮮さをウリに、水槽で泳ぐふぐをその場で捌いて出すのはおかしな話だ。
覆面編集部コメント
カウンター席
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カウンター席もあるがほとんど使われていない