◆ b-shoku.jp ◆
B食倶楽部 食べてきました!今週のピックアップB食店/vol.05
カウンター
暗い路地で、看板が煌々と光るのが目印。
和38年創業の布恒更科は、江戸時代の名店「麻布永坂・更科」の一門。東京・大森のマンションや町工場が建ち並ぶ一角にある。特徴は、石臼で挽いた自家製粉とさまざまな種類のそばだ。たっぷりと盛られたそばは、味も量も満足させてくれるだろう。
串
「荒挽きそば」は後味がさっぱりとしている
ので、次々と箸を口に運んでしまう。
八そばは、「もり」「ざる」のほか、おろし、とろろ、納豆などを使ったもの(800~1450円)や、ごぼう、あられ、はぜなどの天ぷらを入れた天もり(1200~1900円)で味わえる。真っ白な(さらしな粉のみを使ったと思われる)「御前更科そば」(900円)がある一方で、黒い田舎そばもある。つなぎを使わずに水だけで打った「生粉打ちそば」(1000円)と「荒挽きそば」(1000円)がそうだ。荒挽きそばは、そばの実を皮ごと挽いた「挽きぐるみ」で、約幅1cmの太切り。生粉打ちとおなじ10割そば。噛み応がありしっかりとした味わいが楽しめる。
串
すっきりとした「柚子切りそば」
(季節の変りそば)は、締めに最高。
節の変りそば」(1000円)もある。旬の食材を打ち込んだもので、今の時期では「キンカン切り」「春菊切り」「柚子切り」を食べることができる。柚子切りは、ちょっと中華麺にも見えてしまう外形。柚子の色で黄色くなったそばは、細くてツルツルしているのが特徴だ。のど越しが非常によく、一口ツルっとすすれば柚子の香りが口中に広がる。もちろんコシも強い。全種類のそばを試してみたくなるところだが、日本酒もアテも充実している。やはり、お酒を飲んだ最後にそばを食べてもらいたい。
品料理は、ざっと30品以上。きす、穴子、めごち、ほたてなど、10数種類揃った天ぷら(700~1200円)は、つねに季節の天種も用意されている。やわらかく煮付けた穴子にちょっと甘いタレをかけた「煮穴子」は、箸で押すときれてしまうやわらかさがたまらない。「汲み上げゆば」(500円)は、薄味のダシで食べる味の濃い京生ゆばだ。香ばしく炙った「そば味噌」(150円)、ふわふわで巨大な(横15cm×縦7cm×厚さ3cm=推定)卵焼き(900円)などもおススメだ。
上から「きすの天ぷら」「煮穴子」「汲み上げゆば」「そば味噌」「卵焼き」
串
日本酒は別のメニューブックに載っている。
本酒(1合630円~ *以下お酒の値段はすべて1合あたり)は、千葉、山形、広島など幅広い地域の地酒が揃っている。新潟の酒も、手頃な「八海山」(680円)から、ちょっと値の張る「〆張鶴・大吟醸」(2100円)まで選べる。珍しいところでは、「久保田・紅寿」(840円)や「岩の井・秘蔵古酒二十年」(3990円)などがある。

日本酒と肴をじっくり味わって満腹になってしまうと、たっぷりと盛られたそばに面食らうかもしれない。しかし、一口入ればしめたもの。最後まで一気に食べてしまうのが、布恒更科のそばの魅力である。
鳥よし
布恒更科
TEL. 03-3761-7373
東京都品川区南大井3-18-8
営業: 11時30分~15時/17~20時(祝は昼のみ)
定休日:日

 
そば粉について
そばの実は、内から「内層粉」「中層粉」「外層粉」「殻」とわかれる。内層粉を挽いたものは「一番粉」と呼ばれるもので真っ白な色だ。中層部は「二番粉」で甘さと香りがある。外層部を挽いた「三番粉」は繊維質が多く、色も香りも一番強い。そして、中層粉の芯にあたる胚乳だけを挽けば、さらしな粉となる。更科そばは、一番粉と二番粉を使用。白く歯ごたえがある。一方、藪そばは二番粉と三番粉から作られ、色が黒く風味もしっかりしているのが特徴だ。
 
年越しそば情報
布恒更科は、31日20時まで営業。出前はやっていないが、生そばの持ち帰り(3人前2835円)ができる。30日までに予約が必要。
覆面編集部コメント
お新香
i05
これは「炙り小柱」(800円)。たっぷりの辛味ダイコンに炙った貝柱が和えられています。ダイコンはとても辛く、お酒がすすみました。