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2007年4月1日(日曜日)
   
昨年起ち上げた、4月1日の行事菓子を、皆でいただく
「ポワソン・ダブリル」のイベント。

今年もまた、桜も満開の花見日和に、
並木麻輝子先生とご一緒に、開催することができました。
ご参加いただいた皆さま、どうもありがとうございました!

今回、ポワソンをお願いしたのは、今年初めての
お店も増えて、以下のとおりです。

 リリエンベルグ
 ア・ポワン
 メゾン・ド・プティフール
 帝国ホテル
 ロワゾー・ド・リヨン
 ビゴの店
 デフェール
 アルカション
 パティシエ・シマ

昨年の、「ポワソン・ダブリルと桜の集い」の様子は、
こちらからご覧ください。

ア・ポワンは、昨年も人気の高かった、
「解体新書添付」の苺のポワッソンを、
今年も再び作ってくださいました。

苺をぱくりと口にくわえている、ユーモラスな表情は、
いつ見ても、心和みます。

それに、今年は、去年の感じと比べると、
ミントがたっぷり載って、また印象がちょっと変わりました。

元々は、料理人でいらしたという岡田シェフ。
ハート形のパートブリゼは、「心臓」で、
並木先生がおっしゃるには、
「時々、魚を三枚下ろしにしたいという欲求を、
このポワソンに込めている」のだそう。(^_^)

クリームは、パティシエールと生クリームを、
完全に混ざりきらない、白と黄色がところどころ、
マーブル模様をなすくらいに、ざっくり混ぜてあります。
こちらの人気商品、シュークリームに
使っているのと同じもので、とってもミルキー!

中には、ジェノワーズも入っていて、
個性的な見た目からすると意外なほど、
昔懐かしい、という印象の、やさしい味。

でも・・・それだけではありません!
参加の皆さんのためにショコラの特別バージョンも、
作ってくださいました!

色がココア色の、左側です。
う、本当は、もっともっとずっとかわいいのに、
写真があまりかわいくない・・。(>_<)

単純に、生地にココアを混ぜ、クリームに
チョコレートを混ぜた・・なんて思ってはいけません。

案の定というか、岡田シェフらしい、超・こだわりの作で、
「あまり複雑にせず、シンプルにしようと思って。」
なんておっしゃるのですが、実は、ちょっと見では
わからない、ものすごく凝った作り方をされています。

クリームは、シャンティーショコラ。
チョコレートは、ヴァローナのアラグアニを使用。
それを聞いて、72%ですね、という突っ込みが、
間髪入れずに入るあたり、やっぱり、この集まりは・・・
ツワモノ揃いだなぁ。(^_^;)

かなり、カカオ分が濃くて、ビター。
しかも、甘さもかなり控えめです。
少し甘さをつけた生クリームを別添にしてくださって、
つけて食べてください、とのことでした。

これは、人によってもどちらが好みか、分かれましたが、
私自身は、つけなくても、インパクト大で美味しい。
でも、つけると、クリーミーさに包まれて、
バランスがよくなって、さらに美味しい!と感じました。

このフィユタージュが、ものすごく軽いのです!
そこにも、ちょっと思いつかないような工夫があって…。

今回、私も、当日のお楽しみ、という感じにしたくて、
ほとんど、各シェフにお任せしてあり、どんな物に
なるか、事前に詳しく伺っておかなかったのですが…。
うーん、それだと、その場では、詳細の説明が
できなかったですね・・。悩ましいなぁ。

でも、そこは、さすが並木先生。
今回のご説明は、実況中継状態で、各シェフに
その場でお電話をしてくださり、ヒアリングして、
わかりやすく、伝えてくださいました。
本当に、どうもありがとうございます!

岡田シェフには、後ほど、お礼のお電話をした際にも、
直接、お話を伺うことができました。

このフィユタージュ、生地=デトランプに
ココアパウダーを入れるのでなく、折込をする
バターの方に、ココアパウダーを加えているそう。
でないと、パイローラーのキャンバスが、
真っ黒になってしまうんですって。

それも、「ブール・ド・ショコラ・ア・ロランジュ」
とのこと。
オレンジのマーマレードも、ポワソンの
ヒレの中も入っているのですが、それだけじゃない。

折込用のバターに、岡田シェフが、
ショコラと相性がいい、と考える、グランマルニエと、
オレンジペーストを加えているそうです。

というのも、1988年にフランスに渡った岡田シェフ。
最初に訪れたフォションは、当時、
ピエール・エルメ氏が第一線で活躍されていた頃。
そこで、ミルフィーユショコラを出していらして、
カスタードにグランマルニエを加えてあるのが、
とても美味しいと感じ、おっ、センスが一緒だ、と
思われたんですって。

でも、ショコラのクリームに、オレンジのリキュールを
加える、というのは、思いつくけれど、
まさか、生地に折りこむバターに加えているとは…。

うーん、これはちょっと、してやられました!
今回、全体を通じても、かなりの方にとって、
印象に残ったポワソンの1つだったようです。


リリエンベルグは、普段、ひらめバージョンを
出していらして、今回は、昨年同様、
かつおバージョンも、特別に作っていただきました。

鯉のぼりに見える・・という噂もありつつ・・。(^^ゞ

でも、ポワソン・ダブリルの元の由来は、
並木先生からもご説明があったように、
「マクロー(鯖)」なんですよね。

こちらのフィユタージュも、しっかりしていて美味しい、
という感想が。

これも、去年、解説いただいたとおり、
いわゆるアンヴェルセ。
バターでデトランプを包む、逆包み手法ですね。

苺の下は、ややまったりしたカスタード、
そしてジェノワーズの構成です。

メゾン・ド・プティフール・・・!
今年も、やってくださいました〜。

お店に注文をした際、「昨年と同じのがいいですか?」と
マダムに聞かれて、それも全部お任せで!とお伝えしたら、
西野シェフは、同じ物じゃつまらない、というような
ご性格なので、全然違うのを作るかも…と
おっしゃっていたのですが。

本当に、全然違う〜!!

昨年の「マスカラまつげポワソン」も、あまりにも
キュートで、超・話題でしたが、今年は、
円を2つに分けた形を、自然に生かしたラインが
美しい、洗練された2匹のポワソン!

しかも、中のクリームまで、手前が
ピスターシュのムースリーヌ。
奥がカスタードと、それも違うのです。

もしかして、これって、双魚座(ピスケス)のイメージ?
と思ったのですが、並木先生に語られて曰く、
「別に考えてなかった・・」と。
あら・・そうでしたか。(^_^;)

でも、円形を2つに切ったら、かわいいんじゃないか、
と思われたそうなんですね。
うんうん、かわいい!
型紙を使って、魚型に切り出すとかでなく、
こういうシンプルな形でも、ちゃんと、魚に見えるし。

並木先生曰く、こちらのフィユタージュは、
浮きを抑えて、目がみっしり詰まったような質感。
そして、塩気が効いている、と。
確かに、他店と比べて、はっきりわかるほどです。

ピスターシュの緑と、苺の赤の色彩も、
華やかで、綺麗な組み合わせですね。

カスタードは、ごく一般的なクレームパティシエール
だったのでしょうか?
なんだか、バナナのような甘い芳香があって、
ちょっと、不思議な印象でした。

終了後、お電話した際は、西野シェフは、
別のお店にいらしたので、お伺いできませんでしたが、
今度、確かめてみたい・・・。

帝国ホテルのポワソンは、なんだかとても、
キュートなイメージ!

こちらは・・苺の美味しさが圧倒的な印象でした。

切り口の赤色も、とても濃い綺麗な色で、
さすがホテルメイド!よほどいい苺を
選んで使っていらっしゃるのでは、と、
皆さんも、納得されていました。

それだけではなく、上掛けのジュレも、
苺のとてもいい香りがして、これがいっそう、
苺の美味しさを、引き立てているのです。
うーん、多分何か、苺のリキュールなどが
入っているのかな・・。

そう・・ちょっとシュワシュワ感のある
シャンパンのようなお酒に、苺果汁を
絞ったような、そんなさわやかな印象でした。

ロワゾー・ド・リヨンのポワソンは、これまた、
あっと驚きでした。

これまで、ポワソン・ダブリルというと、
やっぱり、苺を上に飾った物が多くて、
まさか、この、真っ白なクリームで
ウロコを表現するとは思いもよらず・・・。

しかも、ひょっとしてやっぱり・・・?
あぁ、そうだ、思ったとおり!
そう、バタークリームなんですね。

うん、さすが、バタークリームの美味しい
フランス菓子屋さんの1つにあげたい、
ロワゾー・ド・リヨンらしい!と、
思わず頷いてしまいました。

参加の皆さんも、最初見た時、
これだけ一面、クリームに覆われているので、
かなりのボリュームをイメージされたよう。

でも、食べてみると、バタークリームと
思えないほどすっきりとして、もたれる感じがなく、
びっくりするほど軽い!と驚いていらっしゃいました。
ふふふ、そこが、ロワゾーのバタークリームの
すごいところなのだ。(何故か自慢)

さらに、まだまだ驚きが・・!
あー、今回、ほとんど断面を撮っておかなかった私は、
かなり間抜けです、ごめんなさい!!

なんと、底近くに、リンゴのコンポートを
敷いていらっしゃるではありませんか?!
さらに、そのリンゴに、何か、清々しい風味付けが…。
これって、ミント?というのが、私たちの予想でした。

帰ったら、加登シェフに、お礼を兼ねて、
この美味しさの秘密を、詳しくお伺いしたいと
思っていたのに、うっかりしているうちに、
営業時間が終了してしまい…。(>_<)

ということで、こちらは宿題としつつ・・・
オペラの会の時なども、思いましたが、このように、
伝統菓子をベースにしつつ、独自にアレンジをされ、
さらに美味しい物にしてしまうこちらのお店は、
やっぱり、魅力的ですねー。

私も、並木先生も、もちろん皆さんも、これまで
食べたことのないようなポワソン・ダブリル。
「これは、新世紀ポワソンかも〜」と、
並木先生もおっしゃるほど斬新で、
こんな物もありうるんだ!と、目からウロコでした。

その2に続きます。