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2011年1月12日(水曜日)
   
1月8日に、こんな試食会を開催しました。
「スイーツ番長&平岩理緒、2011年おすすめスイーツ賞味会 〜烏龍茶とのマリアージュを探る」

「幸せのケーキ共和国」のスイーツ試食オフ会と、
スイーツ男子の代表格として様々なメディアで活躍中の
「スイーツ番長」さんとの共催企画でした。
「スイーツ番長」オフィシャルブログ「男のスイーツ」

ご協賛をいただきましたサントリーの方もご一緒に
記念の3ショット。どうもありがとうございました!

事の発端はそもそも・・
ある日、私と、スイーツ番長氏のもとに、
烏龍茶とスイーツとの相性について、
専門家の立場からコメントしてほしいとご依頼がありました。
それは、烏龍茶とスイーツとの相性について研究している、
サントリーさんからの問いかけでした。

「烏龍茶は口の中の油を流してさっぱりさせる」
というイメージがありますよね。
では、バターや生クリームをしっかりと使った
スイーツについても、それは当てはまるのか?ということです。

サントリーさんと京都大学大学院農学研究科との
共同研究では、油脂と飲料間の官能検査を行い、
水よりも烏龍茶茶の方が、ホイップクリームの味や脂テクスチャーを
除く効果が高い、といった結果が出ているのだそうです。
研究結果をまとめた内容が、こちらでご覧いただけます。

また、界面張力測定により、油脂を乳化しやすい飲料
という結果も見られたそう。
それを聞いた私は、それならガナッシュも乳化させやすいのかなぁ。
ボンボンショコラに使ったらどうなのかなと気になったのですが。

でも、いくら健康にいいと言われても、
本当に美味しく感じられ、お互いを引き立て合うものでないと・・
という、スイーツファン目線の思いもあります。

それなら、実際にやってみなくては!
ということで、私とスイーツ番長とが話し合い、
烏龍茶と相性のいいスイーツのカテゴリーを5つセレクト。
そのカテゴリーの中で、2011年これはぜひ食べてほしいと
お薦めしたい逸品を選び、烏龍茶とともに
皆さんに試食していただくことにしました。

烏龍茶とスイーツとの“マリアージュ”。
ご参加いただいた23人分のデータをまとめましたが、
なかなか面白い結果が出たので、ご紹介していきます。
5つ挙げた「烏龍茶と相性のいいスイーツ」ジャンルと、
それぞれで紹介したアイテムは以下のとおり。

1位 ドーナッツ
COCOドーナツ「バニラ」
フロレスタ「オーガニックシナモン」

2位 ミルフィーユ
ピエール・エルメ・パリ「ドゥ・ミルフィーユ」
ラ・プレシューズ「ミルフィーユ」

3位 柑橘系フルーツタルト
アカシエ「タルト・マンダリン」
サンキャトルヴァン「オレンジのタルト」

4位 アイスクリーム
エシレ・メゾン・デュ・ブール「エシレ グラス/ブール」
ジャン=ポール・エヴァン「グラス プラリネ クラッカントゥ」

5位 パンデピス
ドゥー パティスリー カフェ「パン・デピス」
アカシエ「パン・デピス」

昔、中国に行った時、自動販売機の中に、
砂糖入りの烏龍茶と無糖のとがあって、
衝撃を受けたのですが・・。
今回合わせるのはもちろん、無糖の烏龍茶。

普段、スイーツと合わせる飲み物は、基本、
温かいものなのですが、今回はあえて、
「ペットボトルの烏龍茶そのままと合わせる」という、
気軽で手軽な方法にさせていただきました。

でも、温かいものもあるとよかった、という声を
何人かの方からいただき、それは確かに・・。

家で、ペットボトル入りの烏龍茶があったら、
マグカップに注いでレンジでチンすると簡単ですね。

ドーナッツは、ここ数年の「コナモノ」ブームの代表格。
手前がCOCOドーナツ。奥がフロレスタ。
どちらも、ナチュラル系ですね。

COCOのバニラはやさしい味で、もちもち食感。
米油で揚げていて、くどさがなく、さらっとキレがいい。
フロレスタは、生地に水や牛乳を一切使用せず、水分は豆乳のみ。
小麦粉も全粒粉を使い、「かめばかむほど味がでる」、
ちょっとサクッとしたケーキ生地タイプ。
オーガニックシナモンが、インパクトのある
スパイシーな香りで、烏龍茶とぶつけても
負けないのではないかなと思っていたのでした。

皆さんからは
「単品で食べて美味しいけれど、上品すぎるかも」
「油を洗い流すかどうかという検証主旨からすると、
もっと油っぽいドーナツを選んだ方がよかったのでは」
というご指摘もいただきました。
うーむ、おっしゃる通りかも・・。
最近、人気のドーナツは、ある意味、あまり油っこくなく、
かなりさらっとしていますよね。

でもやっぱり、揚げ物特有の、油を吸った生地を
飲み込む時に、烏龍茶を口に含むことで、
喉や口の中の油切れは、よりよくなる気がします。
サーターアンダギーとか、ベニエとか、かりんとうとか。
黒糖かりんとうとか、烏龍茶で進みそう〜という感じですね。
ミルフィーユは、烏龍茶が
・カスタードクリームと相性がいい
・パイ生地と相性がいい
ということの検証。

烏龍茶は、それ自体、半発酵茶の独特の香ばしさがあるので、
ムースのようなものより、パイやシューのように、
焼きこんだ香ばしい生地系のものと合うと思うのです。

あと、カスタードは、オレンジ系のコアントローなどを
加えるように、柑橘系とも相性がいい。
後述しますが、烏龍茶と柑橘系フルーツは相性がいいという
イメージがあり、柑橘を中心にして、カスタードと烏龍茶が
まとまる気がしたのですね。

ちなみにこういった素材組み合わせのやり方、
私は、「ラ・スプランドゥール」の藤川シェフの
お考えから学びました。
AとCという、えっこれ合うの?という素材を合わせる時、
Aと相性がよく、Cと相性のいい素材Bを“つなぎ”として
入れることで、全体がまとまるという考え方です。

左:ラ・プレシューズ「ミルフィーユ」
右:ピエール・エルメ・パリ「ドゥ・ミルフィーユ」

先に、プレーンのラ・プレシューズからどうぞ。
食べ比べの時は、味の淡い方から順にいただくのが、一応の基本です。

このカテゴリーは、
プラリネフィユテとプラリネ風味のムスリーヌクリームが濃厚な
ドゥ・ミルフィーユが、烏龍茶と合う!と皆さんが口を揃えました。

「口の中が洗い流されさっぱりする」感には、
油っぽさが洗い流されるというのと、
甘さが洗い流されるというのの両方あった気がするのですが、
プラリネならではのナッツ由来のオイリーさ、甘さが、
ともにさっぱりする、というのをかなり実感できました。
かつ、ナッツの香ばしさが、烏龍茶とよく合うのです。
双方の個性を引き立て合いつつ、より膨らませるような。

対するプレーンのミルフィーユは、かなり濃厚なカスタード
とは言っても、やさしすぎて烏龍茶に負けるかも・・という声が。

ただそもそも、どちらも、油っぽく感じられるかと言うと、
決してそれもないのですが・・、
パイ生地もカスタードも、バターはひそかにたっぷり使われているんですよね。(^_^;)
烏龍茶は香ばしく焼いた生地物と合う、というのには
当てはまると感じられました。
柑橘系フルーツタルト。
烏龍茶と合うフルーツって?と考えた時、
イチゴより、柑橘では?というイメージがありました。
苺は、なんとなく紅茶かなぁ・・。

「アールグレイ」って、キームン系のスモーキーな中国紅茶に
柑橘系の香りをつけたものが多いですよね。
中には、ダージリンベースのアールグレイとかもありますが・・。
烏龍茶も、この系統の中国茶と香りの共通点があり、
柑橘系に合う気がするのです。

アカシエ「タルト・マンダリン」は、興野シェフが、
「冬の“みかん”をイメージした」というプティガトー。
いわゆるフランス菓子の定番、タルト・シトロンの
クレーム・シトロンをマンダリンオレンジで炊いたもの。
中に、マンダリンのコンフィチュールも敷かれています。

シトロンだとかなり酸味が強いですが、マンダリンは、よりやさしい感じ。
烏龍茶と合わせると、やわらかく、さわやかに香りが広がります。
一方、サンキャトルヴァン「オレンジのタルト」は、
フレッシュ果実をマリネしてのせています。
土台は、しっとりしたオレンジ風味のアーモンドクリーム入り。

全体に、フレッシュ果実よりも、クリームにしてある物の方が
烏龍茶と相性がいいという声が多かったです。
味の強さ、凝縮感のためでしょうか。
柑橘類と合わせたのは初めてだけれど、何か全く新しい
フレーバーのお茶のような印象になった、という感想も。
烏龍茶とのマリアージュの、新しい可能性が広がった、
という方が多かったです。

参加者の中に、製菓系スクールで教えていらっしゃる
パティシエさんもいらしたのですが、
「烏龍茶は、タンニンの強いものとは合うので、ベリー系でも
カシスやグロゼイユとは合うのでは」といったご意見で、なるほど!と。
苺だと負けそうな気がしたのですが、カシスのように
個性の強いベリーならば、バランスが取れそうですね。

<その2>に続きます。