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2008年9月8日(月曜日)
[ 00:02 ] [ 花火アントルメ ]
   
オークウッド編から続きます。

ドゥー・パティスリーカフェに用事でお電話した際、菅又シェフに、
花火アントルメなんていうものをお願いできます?
というお話をしたところ、
「それ、噂に聞いてました!
アカシエの興野さんから、こんなふうに作ったって伺って・・
ラ・スプランドゥールの藤川さんから、本に載ってるのとかも
見せていただいて、『考えといた方がいいよ』って言われてて・・」

・・・思わず笑ってしまいました。
そんなところで、ひそかに噂になっているとは、いや、
企画者冥利につきるというか、嬉しい限りです。(^_^;)

藤川シェフが、
「本をご覧になって注文いただくこともあるんですが、
一番注文が多いのが、あのHANABIなんです。
海が好きだという方に、ラムネ色のジュレで作ったり・・」
とおっしゃってくださるのを伺い、あー、なんだか嬉しい・・
と思いました。
そうやって、じわじわと草の根から、夏のこの企画が
広がっていきますように・・。

この時ちょうど、関西からお世話になっている方が
上京されることになり、ずっと前から、柳さんのお店に
いつかご一緒したいとおっしゃっていただいていたので、
都立大学行き決定。
ならばなおのこと、と、この日にえいっと企画発動。

さらにその朝、思わぬ方にも合流いただけることになり。
朝10時、お店の前に続々と参加メンバーの方が集合。
わーい、なんだか楽しい感じで始まります!

→参加くださったガレットさんが、とても詳しいレポート
書いてくださっていますので、ご参照ください。

席につき、まずは、前菜?とばかり、気になるプティガトーの
ケーキをいただく方も多数。さすが!皆さん頼もしいなぁ・・。

菅又シェフが、イートイン席に運んできてくださったアントルメは・・。

わぁ、花火だ!花火だ!
サイドを囲むのは、ビスキュイではなくメレンゲ・・。
ちょっと、フランスの伝統的なデセールである
「ヴァシュラン」をイメージされたそうです。
時間が経つと泣いてしまいやすい軽い生地。
イートインだからできる組み立てですね。

ラ・スプランドゥールの花火アントルメは、
半球状のジュレを側面までいっぱいに貼り付けたものでしたが、
こちらは球体。
それを、バニラのムースリーヌに埋め込んであります。

赤いボールはフリュイ・ルージュ系、
黄色は、パッション&マンゴーにオレンジのエキゾティック系。
同じ構成のクーリーを散らして、夜空に舞い散る
花火の様子を、描き出してくださいました。

そして白いものは、ヨーグルトをアルギン酸で固めたもの、と。
あら、エルブリ系だ・・。

アルギン酸ナトリウム。
海藻などに含まれる多糖類で、昆布やモズクなどの
ぬめり成分ですね。食物繊維の一種ですが、
菅又シェフは、粉末状ですよとおっしゃっていました。

アルギン酸ナトリウムを混ぜた液体Aを、
塩化カルシウム溶液に落とすと、
化学反応により液体Aの外側がゲル化して、
膜状のものができるそうです。
人工イクラを作るときの技術ですね。

数年前、スペインから、フェラン・アドリア氏を
筆頭とする第一線で活躍するレストランのシェフ達が
来日しての講習会を受ける機会があり、そこで、スプーマや
液体窒素の技術とともに知ったのが初めてだったような・・。

あー・・やっぱり、菅又シェフは、どこか前衛的な、
レストランのデセール的な技法もお使いになる方だなぁと、
改めて思うのでした。
下の生地は、ザクザクして、ダクワーズよりはシュクセっぽい。
ヘーゼルナッツかな?ローストしてカッセしたナッツが
ちりばめてあります。

バニラのムースリーヌがシンプルな分、
中のジュレを複雑な組み合わせにされたそう。
主体はグアバ。シトロンヴェール、マンゴーなど、
何種類もの味をバランスよくまとめてくださいました。

あー、本当だ。球体が埋まっていた穴が開いてますね〜。

ヨーグルトのボールは、噛むと、口の中に、
とろんとした液状のヨーグルトが流れ出しました。
うん、なんだか不思議で楽しい感じ♪
当日、皆さんが召し上がっていらした中でも
話題となっていた、エクレール・マチュリテ。
マカロンにクリームを挟んだ人気のプティガトー、
「マチュリテ」を、こちらの定番スタイル、
クッキーがけタイプのエクレールにアレンジしたもの。

こういう、作品世界観の敷衍的展開は、
菅又シェフが通っていらした、ピエール・エルメ的な
系譜を感じさせます・・。

マスカルポーネクリームの中に一本、
フレーズ&ルバーブのコンフィチュールが絞ってあり、
ガレットさんが、一体どうやって?と不思議がって
いらしたので、後日、菅又シェフに質問してみました。

すると、ごく普通に、底に3つ開いている穴から、
地道に絞り入れていたとのこと。
写真をご覧いただいて、
「本当だ〜一本につながってますね。
これを見たら、どうやったんだろうって不思議ですよね。」
と、むしろ驚いていらした菅又シェフです。(^^ゞ

でも、その時点ですでに、エクレール・マチュリテは、
新バージョンになっていたのです。
コンフィチュールをクリーム全体に混ぜて
一度に絞り入れるようにされたとのこと。

私も、その後、別の友人とお伺いした際、
ニューバージョンをいただいてみました。
本当だ〜クリームとコンフィチュールが混ざってる!

菅又シェフは、お菓子だけでなく、レストランや
料理など、色々なものにご興味をお持ちで、
積極的に見聞きされる方で、よいと思ったものを
柔軟に採り入れて、ご自身のものにされていく、
という印象があります。

これからもさらに、進化されていくことでしょう。
またいつか、花火アントルメをお願いしても、
きっと、2008年版とは違った、進化した作品を
見せてくださるに違いありません。

菅又シェフ、ご一緒してくださった皆様、
どうもありがとうございました!
B食店情報
・店名 : D'eux Patisserie-Cafe ドゥー・パティスリー・カフェ(どぅーぱてぃすりーかふぇ)
・ジャンル : スイーツ-洋菓子
・住所 : 東京都目黒区八雲1-12-8
・TEL : 03-5731-5812
・営業時間 : 10時?19時半
・最寄り駅 : 都立大学
・キーワード : 2007年12月1日オープン/フランス各地で修業した菅又亮輔氏の菓子/イートインあり
・友人・同僚 / デート / 一人
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