記事
[ 総記事数:1946件 ] [ RSS2.0 ]
前のページ | B食LOGトップ | 次のページ
2008年11月27日(木曜日)
[ 06:35 ] [ 取材 ]
   
酔って愚痴をこぼしたり、とぐろを巻いたり、突然泣いたり怒りだしたり。お酒は人を様々な状況にする不思議な液体である。飲み方を間違えると後悔したりもする。
って、そういう暗いお話ではなく、もう少し前向きなお話をしましょう。

先日取材させていただいた秋田県能代市にある喜久水酒造さん。ここの社長さんの平澤喜三郎氏のこだわりも面白いです。

氏は、酒蔵の中で「酒を不味くしている奴」を徹底して追放しておられる。
仕込みに失敗ばかりしている杜氏とか、麹を醸すのに朝から納豆食べてくる新人とか、、、、、
だから!そんなんじゃなくて、、、、、

ここでは、みんな一生懸命においしい酒を造っています。「酒をおいしくするための方法」はいろいろあり、様々な研究がなされていますが、喜久水酒造さんの場合は、「お酒を不味くしない」ための努力もなされています。4つのこだわりについて紹介します。

【その1】 新ビンは使わない
新しいビンには、様々な成分が付着していて、お酒の味を変えてしまうのだそうです。だからリサイクルビンを塩酸処理して、きれいな状態で使い、味の安定化をはかるのだそうだ。新しければ良いというわけではないのだ。
【その2】 殺菌は速やかに
酒は生き物。麹菌が生きている限り発酵し続ける。発酵を止めるために行われる作業が「火入れ」である。酒をある程度の温度まで加熱させ、麹菌の活動を停止させるのである。問題は加熱した後の処理。酒の仕込みの時期の秋田は寒いから、火入れ後の酒をそのままにしても自動的に温度が下がっていく。しかし、この下がるスピードが重要で、ゆっくり覚ますと燗冷ましのように不味くなる。おいしい酒を作るためには、できるだけ速やかに温度を下げるのが肝要だとか。(写真は酒を冷やすための道具:これに氷水などを入れて急冷する)

【その3】 一定温度で保管
作った酒に、温度変化を与えるのは禁物。ビン詰めにしたら、できるだけ温度を一定にして熟成をすすめるのがポイント。温度管理がしっかりしていないと、酒はどんどん不味くなる。酒屋さんで一升瓶を棚に並べてストーブをガンガン焚いている店があるが、このような店で日本酒を買ってはいけない。喜久水酒造さんの場合は、能代市郊外に、奥羽本線の旧トンネルを利用して、そこにビン貯蔵を行っている。天然の力で温度管理している。外国ではワインの貯蔵に穴倉を利用したりしているが、これと同じ原理だ。

【その4】 酒は日光にあてるな
日の光をあてると、日本酒は劣化が進み不味くなる。そこで喜久水酒造さんの場合、特別酒はすべて新聞紙に包んで出荷している。通常の製品を1本1本手で包装し、さらに税務署の指導で、その上にラベルを張って。こんな手間のかかる作業をするのも、せっかく作った酒を不味くしないための心づかいである。余談であるが、包装には地元のローカル新聞を使っているので、この酒を買った人は、その新聞の記事を読んで秋田の出来事を知る。郷愁をそそる憎い演出だ(笑)

我が子のように大切に作り育てた酒を嫁に出す気持ち。十分に伝わってきました。
B食店情報
・店名 : 喜久水酒造合資会社(きくすいしゅぞうごうしがいしゃ)
・ジャンル : その他
・住所 : 秋田県能代市万町6−37
・TEL : 0185−52−2271
・URL : http://www.shirakami.or.jp/~kikusui/
B食店ページへ

2008年11月26日(水曜日)
   
天洋酒店の浅野氏の運転で、山本合名会社を訪れた後に、国道101号線を北上し、秋田県と青森県の県境に向かった。この道は、鉄道マニアにも人気がある五能線と並行して走っている。風光明媚な場所がたくさんあり、写真スポットも多い。中でも浅野さんお勧めの場所が右の写真。橋の上から五能線の鉄橋を移す。列車の運行は結構自然に左右される
ことが多く、冬などはしばしば運休するらしい。土地の人は「無能線」と呼んでいるとか(かわいそう!)

さてさて、秋田県の県境を過ぎてすぐ左手に、目的の「福寿草」を発見。いわゆる、ドライブインってやつですか?青く冴えわたる空と海。絶好のロケーションにイカが干されていた。この辺のイカはとてもおいしく、名物になっている。もう少し北上した場所にある「鰺ヶ沢」は、力士舞の海の生まれ故郷でもあるけど、盛岡の寿司屋の大将なんかは、往復400kmの道のりを、このイカを求めてやってくるぐらいだ。

我々がちょうど到着した時に、お店のおばちゃんたちが、イカの取り込み作業に入るところだった。「ちょっとまってけろ!」と作業を待ってもらい、「絶景イカ」の撮影会が始まった。この景色とイカに圧倒され、昼食の期待が高まる。

中に入って、名物イカ刺し丼を注文。あとは焼きイカ、鮭のなれ鮨、赤漬けをサイドニューに。浅野氏が日本酒も注文してくださった。同道の女性陣、昼酒で、とてもまわりそうな雰囲気ながらも、しっかりと堪能されていた。
「ああ!おらも飲みてえーーー」とじっと我慢の子であった。

秋田から帰ってきて気がついた。あのウマかった「イカ刺し丼」の画像がなあーーーい!!。
ハードディスクの中を探しまくった!見つからない!ショック!悔しい!
もう一度食べに行かねば(笑)。

福寿草
定休日 木曜日
(第1・3木曜日(冬期1・2月))
営業時間 [平日]08:30 - 17:30
[土曜日]08:30 - 17:30
[日曜・祝日]08:30 - 17:30

B食店情報
・店名 : 福寿草(ふくじゅそう)
・ジャンル : 和食-郷土料理
・住所 : 青森県西津軽郡深浦町大字大間越字筧69-3
・TEL : 0173-78-2118
・URL : http://gourmet.livedoor.com/restaurant/309618/
・営業時間 : 08:30 - 17:30
・定休日 : 08:30 - 17:30
B食店ページへ

2008年11月25日(火曜日)
[ 05:52 ] [ 取材 ]
   
ご存じ白神山地は、世界遺産にも登録され、秋田県と青森県をまたぐ自然の宝庫。この山のふもとに、酒蔵・山本合名会社がある。秋田県内では最北端に位置する酒蔵である。近くには名瀑「白瀑」があり、この酒蔵の酒の由来にもなっている。

山から流れ出す湧水を、3kmのパイプを使って蔵に引き込み、仕込み水として使っている。軟水で飲みやすく、「酒の友」としても楽しめる。(詳しくは後ほど)。このように恵まれた水と、おいしい米があることが、酒を美味しくする絶対条件である。
明治34年創業で、かつては夕張炭鉱に酒を送っていたことから、最盛期には7000石も酒を造っていた場所である。現在は蔵もそれまでの普通酒中心の造りから、特別酒へのシフトが行われ、巨大タンクも撤去され、広々と動きやすい作業空間になっていた。どこの蔵でも感じることだが、大手の酒蔵とは比較にはならないのだから、やはり、生き残るためにはそれぞれの特徴を出していかねばならない。酒造りの後継者たちの最大の課題である。

二階にあがると、ごらんのとおり、昔ながらのスタイル
デジカメで撮影していると、時として白いリングが浮かんでみえるとか。
蔵付き酵母が醸している様子なのかもしれない(笑)
まさに、「もやしもん」の世界そのものだ。

酒は搾った後の処理方法が肝心。その後の扱いでおいしさが変わってしまうこともある。この蔵では、特別酒のタンク貯蔵やタンク火入れを廃止し、瓶詰めした後に火入れを行う「瓶火入れ」を行っている。コンクリートの丸井戸のような場所に酒瓶を入れお湯を流す。瓶火入れ後は冷水シャワーで一気に酒を冷やし、「一徹蔵」と呼ばれる地下の冷蔵コンテナで出荷まで瓶貯蔵している。

この酒蔵の後継者である山本友文氏は、以前は東京で音楽関係の仕事をしていたのだそうだが、家業を継ぐために、この世界遺産のふもとの町に帰ってきたのだ。蔵では昼夜を問わず音楽が流れ、酒に刺激を与えているようだった。平成18年に杜氏制を廃止し、現在は彼が中心となって酒造りを進めている。季節従業員を入れて6名という少数う精鋭であるが、北の大地で力強い酒造りの現場を見せていただいた。
B食店情報
・店名 : 山本合名会社(やまもとごうめいがいしゃ)
・ジャンル : その他
・住所 : 秋田県山本郡八峰町八森字八森269
・TEL : 0185-77-2311
・URL : http://www.osake.or.jp/kuramoto/n161.html
B食店ページへ

2008年11月24日(月曜日)
   
秋田から帰って、すぐにその足で大阪へ。
一泊してとんぼ返り。東へ西へのあわただしい一週間でした。

秋田に帰って最初に食べたものは、
「えご」でした。
「えご」とは、「えご草」を酢を加えた水を沸かして煮溶かしたものを裏ごししてできる食べ物で、新潟県や長野県では、「いごねり(えごねり)」とも呼ばれています。

似た食べ物では、博多の「おきゅうと」
こちらは、エゴノリ(「えご草」の他に、沖天(イギス)をそれぞれ水洗いして天日干しし、えご草と天日干しした沖天をおおよそ7:3の割合で酢を加え煮溶かしたもです。

この「えご」、秋田でも作る人がめっきり減って、今では絶滅危惧食に近い状態です。(昔からの製法で作っている人がほとんどいない)。時々秋田のスーパーでも見かけるのですが、全然味が違うのでがっかりすることもしばしば。

この日は、昔からの懐かしい作り方の味のものを、母が買ってきてくれたので、さっそく賞味。
トッピングは、ひとむ家オリジナルで、くるみ味噌と菊と青菜の和えものを。酒と砂糖を使うので味付けは甘め。ばあちゃんの時代から慣れ親しんでいる代表的なスローフードである。
2008年11月19日(水曜日)
[ 15:06 ] [ 取材 ]
   
秋田取材もいよいよ明日が最終日。
これまで取材のサマリーを少々

天洋酒店
イントロダクションというか、予習というか、到着するやいなや、10本以上試飲開始。ひとむは車の運転があったので、指をくわえて見てました(笑)。

山本酒造
白神山地に湧き出るすばらしくおいしい水を使った酒。山から3kmのパイプを伝わって流れてくる水は壮観。近くには落差17mの白瀑があり、ここの紅葉もすばらしかった。絵葉書のような風景で写真撮影。

福寿草のイカ刺し丼
新鮮なイカの刺身に下味をつけてあったかご飯に盛る。卵の黄身と海苔をふりかけ、がぶっといただく。一夜干しのイカをあぶってマヨネーズをつけて食べる。サイドメニューに鮭の飯寿司、公設市場でかった赤寿司持込にて堪能。

喜久水酒造(資)トンネル貯蔵見
この場所、「鉄ちゃん&鉄子」には、たまらない場所だろう。トンネル内に怪しい樽を発見。うなぎのタレが貯蔵されているそうな。このトンネルで「白神鰻蒲焼のたれ殺人事件」がおきそうな、スリルとサスペンスたっぷり。西村京太郎先生の小説の舞台になりそうだ。

喜久水
「酒を不味くしているやつは誰だ?」すごいテーマで、日本酒を勉強。造り酒屋のこだわりを、とことん勉強させてもらった。

べらぼう
到着するやいなや、4合瓶6本開栓というか開戦(笑)
白滝で汲んできた水を一升瓶に入れてあわせて持ち込む。
コップに注いで口から行って、ごくごく飲んだもんだから、隣のオジサマグループも、その様子にたじたじ!(笑)

諸井醸造所
諸井さんの熱のこもった丁寧な説明に、一同ふむふむと相打ちを。しょっつる桶は臭くない。むしろ、いい香りだ。試作中の秘密醤油のかおりも嗅がせていただいた。くらくらしそうなくらい、素敵な香りだ。

ハタハタしょっつる、伝統料理
何匹たべたね?ハタハタ!って感じ。しょっつる鍋のピュアーで上品な香りと味わい。焼いたハタハタに秋田の麹味噌をかけてハタハタ田楽。絶品の味だ。まさしく、ここでしか食べられない。

なまはげ伝承館
「泣ぐ子はいねがーーー?」
戸をバンバンあけて入ってくるなまはげ。四股を踏みながら「なまはげダンス」。家長との問答というかコントが楽しい。あれこれと言い訳をならべたてる家長。だまされまいと酒をのみながら追求するなまはげ。子供の教育問題から始まり、夜な夜な出歩く嫁の美津子の話に及ぶが、姑は必死にかばう。なまはげがくることを事前に察知し逃げる家族。すべての責任を姑におしつけて。美津子にまちがわれ、とばっちりをうけそうになった文美がかわいそう。

石焼鍋料理
初めて食べた!驚いた!すごく旨い!800℃以上に熱した石を、味噌汁の入った桶に投げ込む。一瞬にして汁が沸き立つ豪快な料理だ。使っている魚も新鮮で、とてもすばらしい。

男鹿水族館GAO
ここはとても面白い。特に「生ハタハタ」の泳いでいる姿には感動した。とても美しい。他にもおいしそうな魚がいっぱい(料理屋の生簀じゃないってば!笑)。ペンギン神社もあった。日本でおそらくここにしかないと思う。

男鹿工房・黒い塩
廃材が山のように積まれたバラックのような場所にあり、見つけるのが大変だった。しかし、ここの案内人柿崎さんは、まことに丁寧に塩の作り方を説明してくれた。石油燃料が高いので、廃材を燃やして塩を煮詰めていた。「お安くしますよ!」という言葉に、見学者一同、塩製品の大人買い「この棚の商品全部くださいーーーーーい」って感じの勢いだった。「黒い塩」は特筆に価するできばえだ。

横手こだわり七味会・麹漬け
JAの小屋で漬物を作っていた。「まんずまんず!」といいながらわれわれを迎えてくれた大山代表。漬物やリンゴ。お土産が次々と。申し訳ないです。手ぶらで来ちゃって(笑)

佐藤養悦本舗
稲庭うどん造りの真髄を見た!
「こだわり」とは何ぞや?
「うどんと対話」とは?
開発中の新製品試食。
12月上旬に「人夢キュイジーヌ」にて試食会を開催しようかと計画中。

たてのい・沼館酒造
酒蔵を取り壊す話が持ち上がっている。その前に、是非にと、蔵の中を撮影させていただいた。かつては10,000石も酒を造っていた蔵だ。蔵の貯蔵庫には、昭和62年産の古酒大吟醸が眠っていた。

以上。

明日は、彦三で蕎麦、石孫本店の味噌蔵を取材。
その後、一路東京へ。
2008年11月14日(金曜日)
[ 04:07 ] [ 取材 ]
   
本日より、秋田取材の旅に出ます。

今回は、
山本合名会社/白瀑(しらたき)酒蔵見学
福寿草「イカ刺し丼」と「焼きイカ」
喜久水酒造(資)トンネル貯蔵見学
諸井醸造所
ハタハタしょっつる、伝統料理
石焼料理
男鹿水族館GAO・ハタハタ生体研究
男鹿工房・黒い塩
横手こだわり七味会・麹漬け
佐藤養悦本舗
彦三(手打ち蕎麦)
(有)石孫本店
平鹿りんご

の予定です。

ひとむ、留守中は、こちらでお楽しみください。
レポートお楽しみに。
2008年11月13日(木曜日)
[ 07:20 ] [ 人夢の料理 ]
   
以前いただいた舞茸で土瓶蒸しをやって、これで今年はいいかな?って思っていたのに。松茸食わせろ!という家族の強烈なリクエストで、市場にきのこ狩りにいったひとむ。もちろん、お金を払ってね(笑)。このご時世に、松茸なんて高価なものじゃなくても、、、、、

全部食べてしまうのは惜しい!杉さまがケーキを持参してくれた日に、みんなで食べようと1本だけ新聞紙に包んで、こっそり、隠し持っていた。その松茸を手で裂いて魚焼き器でかるく焼く。

4人で一本。なんとも侘しいが、松茸は松茸である。
できるだけ、たくさん楽しみたい。
でも、土瓶は小さいので、あっという間になくなってしまう。
そこで考えたのが、「松茸の甕蒸し」。
以前購入した焼酎の甕を取ってあったので、
これに熱湯を入れて温め、鍋で作った松茸と地鶏のスープを入れた。その他に、銀杏とミツバ。
みなさん、手酌でクイクイと進む。
止まらない。
あっという間に、甕の底が見えた!
次回は「松茸の釜蒸し」か?(笑)
2008年11月10日(月曜日)
   
赤筋大根は、その名の通り、赤い筋のはいった大根です。戦前戦後の頃には東北から長野県北部にかけて広く栽培されていたそうです。



今回、霧下蕎麦を食べに行った黒姫の蕎麦屋さんの裏庭では、主婦の方々が何名かで大根を洗う作業をしていました。
何本か藁で束ねてまとめています。

これを、天日で干すことで、大根の甘みが増します。
大根の向こうには、野沢菜の畑が。
もう、すっかり冬支度ですね。
年が明ける頃には、これらの漬物が食べられるんでしょうね。
前のページ | B食LOGトップ | 次のページ