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2007年5月21日(月曜日)
[ 12:00 ] [ コロンビア ]
   
前菜にいただいたのはヤシの新芽、色が白くて、ホワイトアスパラガスそっくりで、味もホワイトアスパラガスそのものです。きっと日本人好みの食感でこれからブレイクしそうです。
ロロというジュースもいただきました。これまたとってもおいしい。パッションフルーツジュースに似たテイストです。
席の前に素敵なランチョンマットが敷いてありました。赤、黄色、緑の三色で民族色がよく表現されています。大使の説明によれば国旗を表したデザインだそうです。アヒアコを入れる鳥の形をした器と同じ黒陶のシンプルな皿がこの原色のランチョンマットの上にセットされていました。この民族色豊かな組み合わせがとってもモダンでしゃれていて、大使の心遣いとセンスの良さがこのテーブルセティングからも伝わってきます。
ちなみに大使の今日の装いは白いT-シャツの上にグレーのシンプルなスーツ、この控えめなスタイルからも大使としての任務を遂行されているという心構えが伺えます。
さあ、みんな用意された席に着きました。コロンビアでは食事の前に「ブェン プロベーチョ」といってから食事をはじめます。日本でのいただきますという言葉にあたります。
ふつうは、アヒアコは鳥の形をした器から各人がよそって食べるのだそうですが、今日は取り分けられたものがキッチンから運ばれてきました。
アヒアコは一般にはスープという風に紹介されますが、日本で言えば鍋料理ですね。具がいっぱい入っています。そのルーツはスペインの植民地時代にはじまるそうです。内陸部のボゴタの名物料理です。アヒアコはこれだけで十分な栄養が取れる完全料理で、これだけがでてきます。このあたりも鍋料理と一緒ですね。
週末に家族が集まってきて、そこで供されるのがアヒアコです。みんなで、その週にあった出来事を和気あいあい夜遅くまで語り合うのがコロンビアスタイルだそうです。メニューがアヒアコだけというのも女性たちが食事の用意にあたふたせず、コミュニティーの輪に加われる配慮でしょうか。
またそのための週末をすごす家、アシエンダがあるそうです。いかに家族の絆を大切にされているかが伺えます。週末を楽しむ家というのはちょっとうらやましいですね。
そういえば、日本では、家族団らんの食卓風景がなくなって久しい気がします。お父さんは残業、子供は塾、母親はすでに料理への情熱を失っていてスーパーの出来合いのお惣菜を並べるだけで家族のコミュニケーションもままならない。これが経済大国の実情だとすれば、経済大国の価値とは何なんでしょうか。食事の楽しさを語られる大使の言葉を聴きながら、経済発展のために失ったものの大きさにあらためて考えさせられてしました。
運ばれてきたアヒアコはボリュームたっぷり。トウモロコシがドンと上にのっています。ジャガイモは形がないくらいに煮込まれていて、ちょうど良いとろみがついています。コリアンダーを心配しながら(僕は以前にも書きましたが、コリアンダーが大の苦手なんです)いただきました。
う〜ん、これはおいしい! コクがあって、しかもマイルド。コリアンダーの癖のある香りは感じないけど、ハーブのグアスカスが、グアスカスそのものを食べたとき以上に豊かなフレーバーを感じさせてくれます。熱帯系のヘビーな感じではなく、ジャガイモベースのせいか、とってもあっさりしていて、日本人好みなんです。鳥ジャガハーブ風味といったところでしょうか。これなら毎日食べてもいい、そんな料理です。ランチはアヒアコで、なんてことも今後ありえそうです。
デザートは大使公邸で咲いた椿の花をあしらったモラのアイスクリーム、モラというのはアンデスベリーとも呼ばれる果実で、これも初めて味わったものです。甘酸っぱくてとてもおいしい。お代わりと言いたかってけれど、はしたないのでやめました。
最後はサロンにいってコーヒーをいただきながら大使のお話を伺いました。大使は「永遠の春の街」とばれるメデジンのご出身。メデジンにはチャロン(豚のから揚げ)、黒豆、バナナ、米からつくるバンデパイサという名物料理があるそうです。今度はパンデパイサも是非味わってみたいものです。
コロンビア・コーヒーは、ご存知の方が多いでしょう。珈琲はコロンビアの重要な輸出品です。いただいたコーヒーも特に香り高く、深みのある味わいでした。
コロンビア・コーヒーの入っている入れ物にはかならず「ホアンバルデスおじさん」の絵が描かれています。このホアンバルデスおじさんは、アメリカではロゴとしてはアディダスのロゴと同じぐらい有名なのだそうです。ホアンバルデスおじさんは実在していてて、現在は2代目です。コロンビアのコーヒーは有機栽培コーヒーとして高い品質を誇っていて世界中に輸出されています。もちろん日本でもホアンバルデスおじさんマークのコーヒーは手に入ります。
コロンビアでは花のカーニバル、シジテロが華やかなお祭りだそうです。また、凧揚げが8月開催され、子供たちからおじいちゃんまでみんなで参加します。おじいちゃんが孫に凧揚げを指南する姿はとってもほほえましいです、と、大使。日本ではこんな風景、もう見ることができなくなりましたね。おじいちゃんが孫にものを教えることもなくなって、世代間のコミュニケーションすらできない国になっています。開発途上国といわれる国々にはわれわれが失ってしまった、そしてもう一度取り戻さなければならない生活のゆとりや家族の絆の大切とぬくもりがあります。自然を壊して都市を開発することと経済の発展だけに目を奪われてきた日本の姿を反省するときが来ている。そしてもう一度「豊かさとは何か」を考えて見たいと思います。この「大使夫人の普段着の食卓」は皆さんにその小さなきっかけとなることを願っています。
コロンビアの素晴らしい自然を満喫するエコツアーも盛んです。カイロナ高原、アグアヒラ、ネバダ山脈、アマゾンなど多様な自然生態系を体験できます。ロサリオ、サンタマルカでは熱帯の海のダイビングスポットとして多くのダイバーが訪れます。
お礼に花を生けました。コロンビアはカトレアの原産国なのでカトレアの花をもっていきました。ちょうど、コロンビアの古代の陶器が飾られていたのでそれを利用して、カトレアの咲く原生林に埋もれている古代遺跡という感じでデザインしました。