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2007年2月7日(水曜日)
[ 18:19 ] [ チュニジア ]
   
チュニジア大使館ではゲストルームの隣にダイニングルームがあり、ゲストルームでおしゃべりをしながら料理の用意が整うまで待ちます。大使館はモダンな造りの建物ですが、内部は日本風のつぼ庭や屏風などの日本センスを取り入れる一方、調度品はチュニジアからの民族色豊かな銀器が飾られ、それらが全体にうまく調和し見事なレセプション空間として機能しています。
日本の客人にも、チュニジアからの客人にも配慮した、日本贔屓のサラ・ハンナシ大使御夫妻のセンスが光っています。
さて、屏風が取り除かれて、ジャン! セットアップ完了です。
中央にサラ・ハンナシ大使、その横にアムリ参事官御夫妻、我々はその正面の席につきました。
まず、スープのショルバは、魚と大麦のトマト仕立てでレモンの酸味とピリ辛がとってもよくマッチングしていてとってもグーです。魚は形も無いくらいよく煮込んであります。あまり食べたことの無いテイストですがスターターとしてはこのさわやかさが忘れられない。
次はチュニジア風春巻のブリック。
春巻はロールにしてあるため皮は幾重にもかさなり、そこに油がまわってちょっと脂っこい感じがしますが、ブリックは折ってあるだけの一重なので、パリパリに揚げてある薄い皮と中の具との歯触り感が心地よい。
中の半熟たまごは吸いながら食べるのがコツなんだそうです。ここはチュニジア料理通としては恰好を付けなければと、がんばってみたがやっぱりこぼしてしまった。
ブリックの源流はやはり中国の春巻だそうで、それに西のサハラからのピリ辛文化が融合したそうな。ちなみにこのスパイシーなブリックを食べるのはチュニジアとスーダンだけだとか。

そうそう,今頂いているワインを紹介しなくちゃね。
赤はVieux magon ,白はMuscut sec de Kelibia。とてもフルーティーです。
チュニジアは、古くは146年にロマ帝国に征服されローマ文明の影響を色濃くうけていて、さらに近代にはフランスの保護領でもあったことがあり、ワインが美味しいのは当たり前・・・? いえいえ、そもそもローマにワインを伝えたのはカルタゴだと伝えられています。そう、ワインの製法技術はチュニジアの方が源流なのです。
また日照時間が長く糖度の高い葡萄がとれることから、チュニジアはワインづくりには適した環境です。そんなわけで上質のワインができるのです。
チュニジアの皆さんも、イスラム教にもかかわらずワインをいただかれます。チュニジアはソフト・イスラムと呼ばれるように国策として西欧化を押し進めているんですね。
そのほか、イチジクの蒸留酒のブッハやナツメヤシの蒸留酒タバリン、ビールでは、セルティアが有名です。
次に登場したのは、スラタ・メシュイア。チュニジア風焼き野菜サラダです。焼いた野菜を細かく刻み、オリーブオイルに漬けるという、ちょっと日本では思いつかないサラダです。レシピを見て驚いたのですが、なんとコリアンダーも入っているではありませんか。僕はコリアンダーが大の苦手で、1ミリのかけらでも入っていれば即座にコリアンダーの存在を判別する能力をもっています。そして即、拒否に姿勢にはいります。
ところが、ところが、このスラタはまったくコリアンダーの存在を感じさせないではありませんか。うーん、一本とられてしまった。まったく完敗です。
味は? とっても美味しかったです、ハイ。日本の焼き茄子とは随分違いますね。
簡単そうなので自分でも作ってみたい一品です。

メインはクスクスです。
これはチュニジアの代表的料理です。もともとは北アフリカの先住民族であるベルベル人の伝統料理だったものです。ベルベル人の住居は土で固められた塔のような住宅で、ジンバベの石の城壁とともに不思議で,最も印象的なアフリカの民族建築であり、尋ねてみたい建築の一つでした。こんなところでベルベル人と出会えるとは思ってもいなかった。彼らはこれを食べていたのだ。この不思議な建物をつくるベルベル人のクスクスを食べたことで、少し近しい存在として彼らを感じられるようになった。
今ではクスクスは北アフリカを中心に広く食べられるようになっていて、日本でも見かけるようになってきました。食べたことがない人も、クスクスという名前だけは聞いたことあるのではないでしょうか。
チュニジアでは、白身魚のソースで食べることが多いのだそうで、本日は鯛のソースです。トマトベースのソースがチュニジア風で、それに煮込まれたいろいろな野菜が感動の味です。好みによってはハリサとばれるコチジャンのような香辛料をつけてたべます。
デザートはヘーゼルナッツを使った、とろりとした甘いボウサです。
大使館のキッチンで、ラディア夫人が、ずいぶん長い間かき混ぜて作ってくださった力作です。ミルクのフレーバーがきいた、これもあまり経験したことのないようなテイストです。イスラムのラマダン明けには、胃に優しい栄養の源として各家庭で定番のデザートだそうです。

最後がテアラモントというミントティー。
すごくさっぱりとしたお茶です。ミントのさわやかさが、堪能した料理の総仕上げとして今までの料理の一つ一つを舌に再現してくれます。
このミントティーを飲みながらいただいた料理について語ることはチュニジアの大切な家族の伝統なのでしょう。お茶うけに、ピスタチオとアーモンドのサモサも作っていただきました。
チュニジアではお昼に車が大渋滞するそうです。昼休みは2時間あり、皆、家に帰って家族と食事を楽しむのだそうです。だからいつもお昼は大渋滞……
ごちそうになった御礼にテーブルに花を生けてみました。
大使館の応接間に銀のトレーにチュニジアの伝統的な銀の器があったのでそれに花をアレンジしてみました。銀のトレーを砂漠に見立て、オアシスに広がる花園をデザインしました。花はカランコエです。そのオアシスに見立てた銀のトレーをテーブルの中央に置き、カランコエの葉っぱの上にカランコエの花を小さな固まりにして乗せ、テーブルのあちこちに散らしてみました。これは砂漠に点在する小さなオアシスをイメージしたものです。

虹 次回は「日本で出会えるチュニジア」です。お楽しみに!